第8話

私ははっきりと問い詰めた。

「それで、こんなにも長い間演じてきて、疲れなかったの？」

彼の体は硬直した。

「違うんだ、美咲。

信じてくれ、俺は本当に愛して——」

「それで、何度も何度も愛していると言って、気持ち悪くならなかった？」彼の言葉を遮り、私は震える声で問い返した。

「玲奈が寝室の引き出しから、私のメモ帳を引っ張り出したことを知っているわよね？あれが祖母の遺したものだってわかっていながら、彼女に好き放題させた」

「あなたたちは私のベッドで寝て、私のパジャマを着て、私の大切なものを破いた」

「潤一、あなたは一瞬でも私を尊重したことがあるの？」

私の言葉が終わると、彼の目は暗く沈んだ。

彼の目元も急に赤くなったが、それでも彼は何も言わなかった。

私は別に答えが欲しいわけではなかった。

でも、潤一は本当にわかっていないのだろうか？

彼は最初からずっと、私が何を最も大切にしているのかを知っていたはずだ。

彼が私を愛していなかったからこそ、他の人に好き勝手にさせた。

だから、私が傷ついても、悲しんでも、どうでもよかったのだ。

私はバッグから契約書を取り出した。

「祖母が亡くなった時、私は本当に感謝していたわ」

「あなたが立て替えてくれた医療費は、合計二千万円になる。ここに来る前に、あなたの口座に振り込んでおいた」

「潤一、私はもうあなたに何も借りていない」

私は彼を静かに見つめながら、彼の表情が徐々に動揺に変わっていくのを見た。

契約書を差し出し、静かに力強く言った。

「この契約にサインして。私たちはきれいに終わりにしましょう」

10.

潤一は当然、契約にサインしなかった。

私は彼とのやり取りに時間を費やすつもりはなく、裁判を起こす準備を始めた。

彼を訴えるということは、有島グループ全体と戦うことを意味する。

弁護士を探す過程で、すでにその兆候は現れていた。

有能な弁護士は誰も私の依頼を受け入れようとしなかった。

行き詰まった時、昔の友人の一人が突然連絡をくれた。

彼女の名前はエミリーであり、以前、私が海外旅行中に出会った友人だった。

エミリーは最初にこう言った。

「裁判を起こすんでしょ？私があなたの弁護士になってあげる」

話を進めるうちに、彼女が海外で評判の高い弁護士であることを知った。

彼女は夫と一緒