第4話

私は自分が手術台に横たわっているのを見た。目尻から涙が頬を伝って滴り落ちている。しかし、父は何も言わず、お兄ちゃんを連れてそのまま手術室を出て、病室へ向かった。

私だけが一人、ぽつんと手術台に残されている。最後に、看護師のお姉さんが私の遺体を発見して、顔色を青ざめさせながら、私を霊安室に運んでいった。

父は病室でお兄ちゃんを見守っていた。お兄ちゃんの顔色はまだ青白いのだ。そこへ、一人の医師が病室に入ってきた。

私はその医者を見たことがある。父の昔のパートナーで、私は彼を渡辺おじさんと呼んでいる。

「雄一郎、君の娘は亡くなった」

父はまだ自分の息子を見て、無表情だ。

「手術は成功した。翔太はすぐに回復するだろう」

その言葉を聞いたとき、私の心は締めつけられるような痛みに包まれた。父が私を欺いたことが悲しいのではなく、私が死んでも彼は私に一度も目を向けてくれない、それが悲しかった。

「雄一郎！」渡辺おじさんは急に焦って、直接父の襟首をつかんだ。「聞こえているのか？！君の娘は亡くなった！彼女は何歳なんだ？！ああ？！彼女は何歳なんだ？！君は彼女の体の状態が手術に耐えられないことを知っていながら、なぜ勝手にこの手術を手配したのか？！それに麻酔もかけなかった！」

渡辺おじさんは声を張り上げて言い、涙が顔を伝って流れ落ちていた。

「こんな痛み、大人ですら耐えられないのに、子供に耐えさせるなんて......彼女はただの子供だったんだよ......それも、お前の子供だろ......どうしてこんなにも残酷なんだ......」

「翔太は待てない」

父は冷静に答えた。「もし適切な腎臓のドナーを見つけるなら、翔太にとってはあまりにも時間がかかりすぎる。それに彼女が私たちに借りがあるのだ」

「雄一郎！君はあの年の手術のことを......」

渡辺おじさんは恨みがましい顔で言おうとしたが、すぐに父に制止された。これは私が初めて父がこんなに怒っているのを見た。

「健二！君はあのことを一生口にしないと約束したんだ」

「でも私はこの子が死んでもこんなに大きな冤罪を被るのを見ることができない！雄一郎、君はこの子に対して申し訳ないと思わないのか？！君はずっと責任を押し付けているだけだ！」

渡辺おじさんは激怒し、拳を振り上げて父の顔面に一撃を加えた。父はその場に倒れ込み、渡辺