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第43話

今、お爺さんはここまで話をしてくれたから、私は拒否する理由がない。

江川広とは別居しており、離婚証明書は私たちをより明確にするだけだ。

急ぐ必要はない。

それに、お爺さんの80歳の誕生日があと1ヶ月で迫っており、もうすぐだ。

その後、土屋叔父さんが私を書斎から見送りしてくれた。

「こんなことをしたのは、若奥様と若様が将来後悔しないよう、しばらく考えてほしかったからです」

唇を少しすぼめて話そうとした時、電話が鳴った。

見慣れない固定電話番号だ。

「もしもし、河崎来依さんのご家族ですか?」

「はい」

「江安警察署でございます。お早めに来てください」

私はパニックになり、何も聞かないうちに電話が切れた。

そんなの気にせず、急いで降り、エレベーターから出ていると、激怒する江川アナが見えた。

「度が過ぎている!」

彼女は言いながら、私に平手打ちをしようとしたが、私は手で止めた。

私の心はすべて来依のことでいっぱい、彼女のことなど気にも留めなかった。「どいてくれ!」

彼女の手首を放り投げ、大股で立ち去った。

来依が一体何があったのか分からず、警察署に向かう途中、私の心は混乱していた。

そして、あの馴染みの黒いメルセデス・ベンツが、私の車の後ろをずっと追いかけていた。

私をイライラさせる。

江川広はまた何をやっているの?

さっき江川アナに平手打ちをさせなかったとして、追いついて江川アナのために正義を求めるのだろうか?

信号待ちの間、私は彼に電話をかけた。「何故私の後ろをついてくる?」

電話の向こうで、女の嘲笑が響いた。

「南、思い込みすごいね」

それは江川アナの声で、その声は穏やかだった、「広は私のことを心配して、私を連れて一緒に警察署に行くことになった。あなたとは何の関係もない」 ”

……

私は立ち止まった。

また彼女に強く叩かれたような感じだった。

そう。

彼女の言う通りだ。

ただ今回だけでなく、過去3年間も私の一方的な思い込みだった。

警察署の前に着いたら、中に入る前から、私は来依が何をしたかを知っていた。

そして、江川アナが夜に警察署に来た理由も理解した。

夕方になってもまだ江川グループに停められていた、ナンバープレートすら付いていなかったパラメラは、甌穴に叩きつけられ、ほとんど金属くずの山と化していた
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