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第47話

「いや、違うんだ」

私は言い訳した。

「ものを取りにきただけ」

「あれを?」

彼はテーブルの上のデリバリーバッグを指さした。

嘘がばれた瞬間の気まずさを感じながら、私は鼻を触った。

「デリバリーの方にチャイムを鳴らさないように書いたのに」

「彼はチャイムを鳴らしなかったよ」

「じゃ、どうやって分かったの?」

「代わりにノックした」

「……」

私は一瞬息が詰まり、デリバリーの方の機敏さに参ってしまった。

デリバリーバッグを開けて食べようとした時、宏は美味しそうで熱々のシーフード粥を持ってきた。

「おじいちゃんは、南が宴会であまり食べなかったから、残りのシーフードを全部持ってきてくれるように言ったんだ」

「じゃ粥は…」

「俺が作ったんだ」

宏は私の向かいに座り、端正で冷静な顔で言った。

「シャワーを浴びた後に作ったんだ。南は体調が良くないだろ?しばらくはデリバリーを控えよう」

彼の言葉を聞いて、私は一瞬動きを止まった。その意味を理解した後には驚きを隠せなかった。

彼は私に伝えているのか。

シャワーを浴びてキレイになったから作った粥だ。嫌がらないでくれと。

私は頭を下げ、粥の熱気で視界がぼやけた。何口か食べた後、やっと気持ちを整理できた。

「宏、実はそんなにしてくれなくてもいいんだよ」

あなたの言動は私の心を乱してしまう。

私が一番嫌いなのは、揺れ動く人だ。自分もそんな人になりたくない。

突然、手が伸びてきて、私の垂れ下がった髪を耳の後ろになでつけ、ひんやりとした指先が私の耳の縁をなぞった。

「夫婦の間でお互いに世話をするのは当然じゃない?」

彼はそう尋ねた。

「早く食べて」

ある瞬間、私たちが昔の日々に戻ったような気がした。

彼は相変わらず優しい気遣いのある夫だった。

私が顔を上げると、彼の輝く黒い瞳に出くわした。

「でも、私とおじいちゃんの約束は1ヶ月だけだよ」

「1ヶ月だけでいい」

彼の眼差しを深くて長かった。

「以前は、南が俺やおじいちゃんの世話をしてくれていた。この1ヶ月、俺がしっかりと南の世話をする番だ。夫の義務を果たすために、少しでも尽くしたい」。

私の心は波紋を広げたが、顔には沈黙が広がった。

約束する勇気はなかった。

拒否することもできなかった。彼に対しても、自分自身に対しても。
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