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第125話

「清水南」

彼は視線を一瞬も私から離さず、眼差しには名前の知らない感情が渦巻いていた。「薬粧に行くことを後悔している」

「え?」

「南と離婚したくない」

彼の低い声は霧に包まれたように聞こえた。

「…………」

私は唇を舐め、到着するエレベーターを指した。「私は先に行く」

言えることはもう言った。これらの無駄な引っ張りはただ迷惑を増やすだけだった。

「言っただろう、送る……」

「宏!」

エレベーターのドアが開き、中には江川アナがいた。彼女は驚きの表情で、優しく言った。「午後は来られないって言ったじゃない。やっぱり私のこと心配してくれたんでしょう?」

私は振り返らず、彼女の前を通り過ぎてエレベーターに乗り込み、階数を押した後、江川宏の表情を見る思いもなかった。

それは無念さ、イライラ、甘やかしの気持ちだった。

私にとってはもう重要ではなかった。

私が今学ばなければならないのは、手放すことだった。8年間追いかけても追いつけない人を手放すことだった。

…………

帰り道、山田時雄から電話がかかってきた。

私は笑顔で出た。「先輩、どうしたの?」

「南の参加デザイン原稿は他の人に見られたことはあるか?」彼の口調は真剣で慎重だった。

私は不安な予感が湧き上がり、車のスピードを落とし、よく考えてみた。「来依以外にはいないよ」

会社に置いて一晩放置した以外は、デザイン稿は家の外に出たことはなかった。

そっちはしばらく黙っていたが、私は我慢できずに尋ねた。「何か問題でもあったのか?」

「会って話そう、私が南のところに行くか?」

「大丈夫だ。私がMSに行く、ちょうど外にいるから」

私は信号待ちで方向を変えた。「カフェで待るが、どう?」

彼は即座に応じた。

約20分後、私はMSビルのスターバックスに到着したが、彼はまだ外にいて、ガラス越しに山田時雄を見た。

ベージュのシャツにカーキ色のカジュアルパンツを着て、彼は特に清潔で魅力的に見えたが、近づきにくい距離感があった。

私が近づくと、その距離感は一瞬で消え、彼は軽く笑って温かい飲み物を私に手渡した。「熱いものを飲んで」

「うん」

私はあまり選り好みしないが、一口飲んだ後、彼を意外な目で見た。それは私が好きな味だった。

山田時雄はいつも私をよく理解していると感じさせた。

しかし、私
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