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第003話 私の計画

死んでいたのは私の夫、中村浩ではなく、彼の弟、中村光だった!

この発見は、私にとって天から降ってきた悪い冗談のようで、完全に混乱してしまった。

もし浩がまだ生きているのなら、どうしてあのメッセージは、彼は私の夫ではないと警告してきたのだろう?

それに、光を殺したのは一体誰なのか?

私が思いつくのは、浩しかいなかった!

きっと、二人が金の問題で大喧嘩して、浩が誤って弟の光を殺してしまったに違いない。

「今は警察を呼ぶしかない!」

私はそう呟きながら、携帯を取り出して警察に通報しようとした。

その時、再び匿名のメッセージが届いた。

「警察には知らせるな!逃げてもいけない!

明日、銀行に行け」

未来の私から送られてきたメッセージを見て、私はますます混乱した。

警察に通報せず、逃げもしないで、このままここで死ぬ運命なのか?

未来の私は、私が銀行に行けば死ぬと知っていながら、なんで行かせようとしているのか?

もしかして、私が光の死体を見つけたことで、未来が変わってしまったのか?

理由は分からないが、それでも私は未来の私を信じることにした。

地下室を慎重に出て、ドアを再びしっかりと施錠した。まるでそこに一度も入っていないかのように。

部屋に戻り、次にどうすべきかを考えながら一晩中眠れなかった。

翌日、中村光......いや、正確には中村浩が部屋のドアをノックした。

中村美咲は彼の後ろに従い、俯いたまま一言も発しない。

「行こう、圓(まどか)。銀行へ行くぞ」

私は二人の後について階段を下り、駐車場へ向かった。浩は私と美咲に後列に座るよう促し、私の体調が悪いから美咲に私を見てもらうよう言い訳をした。

ふん!見てもらう、だって?本当は私が逃げないように見張らせているんじゃないの?

私は不思議そうな顔をして尋ねた。「光はどうしたの?なんで出てこないの?」

浩は一瞬体をこわばらせ、それからすぐに乾いた笑い声をあげた。「あいつ、まだ怒ってるんだよ。気にしなくていい」

私は頷いて、納得したふりをした。

途中、私は何事もなかったかのように、二人と軽く話を交わしていた。

しかし、心の中では、未来の自分を恨んでいた。

もし昨日、警察に通報するか、逃げ出す選択をしていれば、こんなに追い詰められることはなかっただろうに。

浩はとても上機嫌で、お
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