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第004話 黒幕

美咲が私にメッセージを送っていたの?

まさか彼女が未来の私なの?

未来の私は、夫の実の妹になってしまったっていうの?

こんなの、あまりにもあり得ない話だ!

私は試すように尋ねた。「あなた、本当に未来の私なの?」

美咲は不気味な微笑を浮かべながら、首を横に振った。その視線には何か底知れないものがあった。

私はどうしていいか分からず、ただ呆然としてしまった。

一体どういうことなの?

その間に、中村浩が家から飛び出してきた。

彼は勢いよく車のドアを開けると、私の髪をつかんで無理やり車から引きずり出した。

「どこへ逃げようってんだ?」

浩は私と美咲の間に立ちはだかり、両手で私の肩をしっかり押さえつけた。私は必死に抵抗したが、まったく無駄だった。

今の状況で、自分に逃げ場がないことははっきりと分かっていた。

「私を殺したら、キャッシュカードの在り処なんて、一生分からないわよ!」

彼はキョトンとし、眉をひそめて私を見ていた。「何を言ってるの?なんでお前を殺さなきゃいけないんだ?お前が金を分けたくないから怒ってるのかと思ったんだ」

浩はまだ演技を続けている。まるで何も知らないふりをして。

私はすぐに地下室で見た光景を彼に説明した。

すると、彼はさらに驚いた表情を浮かべ、思わず叫び声をあげた。「光が死んだって!?お前、マジで言ってるのか?」

今さら、浩はまだ白々しい態度を取っている。

彼は私の腕を強く引っ張り、地下室のドアまで連れて行った。そして、中村光の死体を目にした瞬間、彼は泣き崩れた。

その姿を見て、私は何が何だか分からなくなった。

もう真相は暴露しているし、彼にもこれ以上演技をする理由はないはずだ。それなのに、なぜ彼は素直に認めないのか?

頭の中に次々と疑問が湧いてきた。

「どうして私に自白剤を飲ませたのよ?

それに、どうして今日、銀行に行くときに光を連れて行かなかったの?」

浩は困惑した顔で、涙で赤くなった目を私に向けた。

「自白剤?あれは記憶喪失を治す薬だって言ってたじゃないか。

光が俺に会いたくないって言ったのは美咲だよ。金を取ったら彼女が預かるって。

薬も美咲が友達に頼んで買ってきたんだ。お前に言うなって言われてたんだよ!」

浩の言葉は、まるで雷鳴のように頭の中で鳴り響き、最後に残ったのはたったあの名前だけだ
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