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第382話

由佳「もし本気で開発に取り組むつもりなら、やっぱり二つの会社のプロジェクトが君の専門とどれだけマッチしているか、それに理念が合うかどうかが重要なことだよ。キャリアプランでは、早く昇進したいならテクノフューチャーを選び、長期的な視点で考えるなら山口グループを選んだ方がいいと思う」

颯太「正直に言うと、僕個人としては山口グループに惹かれているんだ。多分、山口グループの開発理念が好きなんだろうね。前の社長、清次は数学科出身で、ソフトウェア開発の経歴があるし」

由佳「彼は数学と経済のダブルディグリーだよ」

颯太「すごいよね。彼が海外で受けたインタビューを見たことがあるけど、彼のことをすごく尊敬してるんだ。お姉さん、彼を知ってる?」

由佳「知ってるよ」

由佳「彼は私の元夫だ」

正直に言って、由佳はずっとこの話をするタイミングを探していた。

彼女は、颯太が彼女の結婚歴を知ったら、もしかしたら諦めるかもしれないと思っていた。

ただ、颯太が特に何も言ってこなかったので、いきなり離婚の話を切り出すのは不自然すぎるとも思っていた。

でも、今そのチャンスが来た!

このニュースは颯太にとってかなりの衝撃だったはずで、「相手が入力中...」という表示が長い間続いていた。

颯太は確かに驚いた。彼は由佳が結婚していたなんて考えたこともなかった。だって、由佳はとても若く見えるから。

彼は以前、高村から清次の名前を聞いたことがあった。そのときは清次が由佳の元彼だと思っていたけれど、実際は元夫だったなんて!

高村が清次について話すとき、彼に対してかなり不満を持っている様子だったので、由佳と清次が離婚した原因は多分清次のせいだろうと考えた。

数分後、颯太が返信した。「お姉さんはすごく素晴らしい人だから、離婚は彼の損失だね」

由佳「私たちが離婚した理由はどうあれ、彼は仕事に関してはとても真面目で、従業員にも優しい人だよ。私のことで君の選択に影響が出ないといいんだけど」

颯太「うん、わかったよ。ありがとう、お姉さん。ちょっと考えてみるね。お忙しいところありがとう」

由佳「うん」

由佳は、これで颯太は諦めるだろうと思った。

銀行のマネージャーが来て、由佳の振込手続きをしてくれた。

由佳が豪邸に戻った時、高村はちょうど起きたばかりで、朝ごはんを済ませたあと、リビングのソフ
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