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第14話

麗景殿。

皇太后は慈しみ深い目で皇后を見つめながら、言葉の端々に策略を込めて話した。

「皇后、今やお印を手に入れたことで、後宮の諸事を整えるのがずっと便利になった」

「例えば、この妃と夫人の夜伽の名簿についても、そろそろ規則を整えるころだ」

「新しく入宮した者はさほど問題ではないが、数年前に入宮した妃と夫人たちを放置してはいけない」

「特に賢妃や聖子妃のような妃たちの心が冷めないようにして」

「もしあなたが皇帝に均等に愛を注ぐことができれば、妃と夫人たちは自然とあなたを敬い、あなた一人に従う」

「そうすれば、後宮の管理もより良く行えるようになる……」

紫琴音は頷いて応じた。

「母上のおっしゃる通りです」

「私も家にいた頃、母から教わったことがあります。後宮が安らかであれば、家主は外の事務に専念できる。これが婦道です」

皇太后は安堵の表情を浮かべて頷いた。

「皇后がこの道理を理解しているのなら、わらわも安心だ」

麗景殿を出ると、香子は急いで紫琴音に忠告した。

「陛下、皇太后は皇帝の実の母ではありません。以前、和子妃の死にも皇太后が関与していたようで、母子の関係は冷え切っています」

「皇帝が皇貴妃をひときわ愛しているため、皇太后は自分から忠告できません。新たに入宮したあなたにその役目を押し付けるのは、あなたを犠牲にしようとしているからではありませんか?」

「それに、聖子妃のことも引き合いに出していますが、誰もが知っている通り、聖子妃は皇太后の姪です」

「彼女は姪のために寵愛を求め、あなたの命がどうなろうと気にしていないのです」

「皇帝があなたを傷つけないだけでも幸いだと思うべきです」

香子は、この宮中で皇太后が頼りになる長輩だと思っていたが、今日の殿下子を見て、結局どこも同じだと感じた。

香子が見抜けることを紫琴音も当然理解していた。

正直に言えば、彼女は毎日麗景殿に通って「授業」を受けるのに飽き飽きしていた。

皇太后の言葉の裏には彼女を外に追い出し、漁夫の利を得ようとする意図が隠されていると感じていたため、彼女が思っているほど簡単に操れるわけではなかった。

翌日の朝礼。

紫琴音は、落ち着いて集まった妃と夫人たちに話しかけた。

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