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家族再生、私の新しい始まり:旧い縁を切る
家族再生、私の新しい始まり:旧い縁を切る
著者: 桜吹雪の筆

第1話

荷物をまとめて別荘を出ようとした時、ちょうど三浦美香を連れて帰ってきた母と鉢合わせた。

後ろには、使用人たちが大量のショッパーを抱えていて、母と美香は手をつないでまるでこの世で最も親密な母娘のようだった。

私の手にあるスーツケースを見て、美香はわざと驚いたふりをして言った。

「美保、お母さんがプレゼントを忘れたからって、家出することないでしょ?」

私はスーツケースを置き、二人を見ながら言った。

「誕生日のプレゼント?もうもらったじゃない。18歳の時、あなたたちは自分の口で私を18階の屋上から突き落とさせたでしょう。こんな大きなプレゼント、誰だって重すぎると思うよ」

私の言葉を聞いて、母の眉間には見覚えのある苛立ちが浮かんだ。彼女は面倒くさそうに言った。

「美保、あれはただの事故だったのよ」

「誘拐犯がどうしても二者択一しろと言ってきたのよ。美香を見殺しにしろって言うの?」

「それに、あなたはこうして無事に立ってるでしょ」

18階の屋上から突き落とされ、クッションの上に落ちたとはいえ、私は3ヶ月も病院で寝たきりで、ようやく歩けるようになった。

その間、誰一人として私を見舞いに来なかった。

これが私の家族なのか。

本当は私が彼らの実の娘なのに、美香の両親に取り違えられて、15年も飢えや虐待に耐えてきた。

それでも、彼らは全身全霊で美香を優先する。この私から十数年もの間、身分を奪い続けた人を。

挙げ句の果てに、私は常に疑われ、冷たく扱われ、悪意を向けられる。

かつてはそんなことに心を痛めたこともあったが、今は何も感じない。

もう引っ越し先も見つけたし、少しばかりの貯金もある。これで高校卒業まではなんとかなる。

これからは、三浦美保として新しい人生を歩む。

私はバッグを肩にかけ、スーツケースを引いて、彼らを見ながら言った。

「美香を助けるのは当然かもしれない。でも、私も生きたい。あなたたちが美香を選んだなら、もう美保は死んだものだと思って。これからは、二度とあなたたちの邪魔はしない」

美香の顔には一瞬喜びが走り、何かしらもっともらしい言葉で引き止めようとしたが、

母はすぐに冷たい表情を浮かべた。

「美保、それはあなたが言ったことよ。今後、土下座して頼んできても、もう二度と三浦家には入れないわよ」

私はうなずき、きっぱりと言い放った。

「安心して。死んでもこの三浦家には戻らない!」

「美保、そんな言い方したら、お父さんやお兄さんがどれほど悲しむか考えたことある?」

美香は母の隣に立ちながら、あたかも優しげに言った。

「あの時は急な出来事で、みんな私の安全を優先して混乱しただけなのよ。それに、三浦家はあなたを何年も育ててくれたじゃない」

一見、慰めるような言葉だが、その裏には私が外の人間であることを思い知らせようとする意図が見え見えだった。

美香はこうした手口を何度も使ってきた。

そしてその度に、私は抑えきれず、なぜ自分が三浦家の実の娘でありながら、少しの愛情すらも与えられないのかと問い詰めていた。

美香が広く明るい豪華な部屋で生活する一方、私は一人で暗く狭い階段下の物置部屋に閉じ込められていた。

そこには机も洋服ダンスも置けないほど狭く、陽の光が差し込むのは、日中でも一番強い日差しの時間帯だけ。

私は彼らの実の娘でありながら、まるで日陰でひっそりと生き延びるネズミのように生きてきた。

けれど、もう二度と彼らに期待などしない。

「これを育てられたと言うの?」

私は美香と母をじっと見つめながら言った。

「暗くて狭い物置部屋に押し込められて、食べるのは捨てる予定の残り物、服なんて一度も買ってもらったことがない。学費も生活費も全部自分で稼いできた。この3年間、あなたたちは私に1円も使ってない。むしろ私がたくさん家事をやらされてきた。計算したら、逆に私に給料を払ってもらわないといけないくらい」

「黙りなさい!」

背後から鋭い声が飛んできた。

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