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第4話

「お前、母親としてどうなんだ?裕太がマンゴーアレルギーで入院してるのに、一度も見に来ないなんて!」

「それに、どうして裕太がマンゴーアレルギーだって、佳奈子にちゃんと伝えなかったんだ?佳奈子が知るわけないだろ?」

「昨日、佳奈子は泣くくらい心配してたんだぞ。お前は姉として、どうしてそんなに冷たいんだ?」

彼は怒りをぶつけるように、一気に責め立ててきた。

長い間抑えつけてきた私の心の中の怒りが、とうとう爆発した。

「裕太自身が自分のアレルギーを知らないとでも?彼がどうしても食べたがったんだから、私はどうしようもないでしょ?」

「裕太はお前の息子でもあるんだろ。彼がマンゴーにアレルギーあることを、なんでお前が佳奈子に伝えなかったんだ?」

「それに、私たちはもうすぐ離婚するのよ。お前が自分で言ったじゃないか。もう息子に会いに来る必要はないって」

「達也、忘れたの?」

達也の顔が曇り、険しい表情を見せた。

「お前、本当に理屈が通じない奴だな」

「おめでとう、やっと理屈が通じない妻から解放されるんだから」

......

手続きはあっという間に終わった。

達也は役所を出て、車に乗り込み、そのまま立ち去った。まるで迷いがなかった。

私は離婚証明書を強く握りしめ、肩の荷が下りた気分だった。

若い頃、私は達也に甘い言葉で騙されていた。彼は「お前に家族をくれる」と約束した。

けれど今、この感情に未練は全くない。

ただ、自由を手に入れた喜びだけがあった。

藤原家の妻であったこの数年間、私は達也と裕太の世話以外、何もしてこなかった。

裕太が幼い頃は、体が弱くて、少しのことで病気になった。

家政婦に任せるのは心配で、私は彼をいつも病院に連れて行った。

病室では、昼も夜も彼の看病をした。

達也は好き嫌いが激しく、私の作った料理しか食べなかった。

だから裕太の世話を終えたら、すぐに家に戻って達也のために食事を用意した。

そんな日々が、何年も続いていた。

けれど今、私は自由になり、すぐに江城行きのチケットを予約した。

江城に着いて最初にしたことは、小さな家を買うことだった。

母は江城出身なのに、私を連れてずっと繁栄している海市で苦しい生活をしていたなんて。

彼女は、私が海市で生まれたことを知っていたから、ずっと私が実の母親を見つけられること
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