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第26話

「そうだよ!娘が彼と結婚できたら、私は死んでも悔いはないわ!」

「バカ、夢を見るな!お前が死んだところで、あの男が娘さんを見向きもしないさ!」

その時、佐藤加奈は中村祐介を一目見るやいなや、すぐに駆け寄ってきて、切実そうに言った。「ああ、祐介さん、やっと来てくれたのね。私、もう気が気でなかったのよ!」

やって来たのは、まさに中村祐介だった。

中村祐介は笑って言った。「お母様、お待たせしてしまい、すみませんでした!」

佐藤加奈は慌てて言った。「あら、祐介さん、本当に礼儀正しいわね。たった十分程度待っただけ、あなたは本当に早かったわ!」

中村祐介は笑って言った。「困っていると聞いて、すぐに車で飛んできましたよ。赤信号もいくつか無視しました」

佐藤加奈は得意げな顔をしながらも、心配そうに聞いた。「そんなに赤信号を無視して、大丈夫だったの?」

「大丈夫です」中村祐介は淡々と答えた。

そう言って、中村祐介はさらに続けた。「それより、お母様のことを話しましょう。いくら騙されたんですか?」

佐藤加奈はため息をついて言った。「はぁ、全部で2000万円以上投資したの。今月の配当が400万円もらえるって言われたのに、結局元金さえ引き出せなくなったのよ」

中村祐介はうなずいて、大きな声で言った。「心配しないでください。この件は私に任せてください。私がいれば、必ずお金を取り戻してみせます」

そう言った後、彼はふと佐藤加奈の後ろに立っている健太を見て、表情が微妙に変わった。

まさか、健太という目障りな奴もいるとは。

まゆみを見てから、中村祐介の心には彼女を落としたいという欲望が芽生えていた。従弟の拓真からまゆみはまだ処女だと聞いて、その欲望はますます強くなった。

だから、まゆみの無能な夫を見ると、自然と鼻で笑ってしまった。

彼はわざと笑いながら言った。「あれ、健太もいるのか。お母様の投資を取り戻す方法があるのかい?まずはあんたが試してみたらどうだい?あとで私が手柄を奪ったなんて言わないでね」

佐藤加奈は慌てて言った。「彼に何ができるっていうのよ?口だけで役に立たないわ!祐介さん、彼を気にすることないわ」

中村祐介はうなずき、皮肉を込めて言った。「健太にその能力がないなら、私がやってみましょう」

健太は微笑んで一言言った。「中村さん、頑張れ」

中村祐介は
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