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第23話

みんな宴会場に戻って、佐藤こころはまゆみの手を引いてステージに上がった。

彼女は親しげな姿勢で口を開き、「先ほどは本当に申し訳ありません。私の勘違いでした。実は今回、まゆみのおかげです、彼女こそが我が佐藤家の優秀な後継者です。今回の佐藤家と三島グループの提携も、まゆみが大いに貢献しました」と言った。

中村みかは彼女のそばに立ち、冷たい目で彼女を一瞥し、手を振って話を止め、「訂正させていただきますが、今回の提携はまゆみさんが一人で成し遂げたものであり、他の人とは全く関係ありません」と続けた。

この言葉は非常に無礼に聞こえたが、皆は慣れていた。三島グループの地位を考えれば、中村みかが公然と佐藤こころに平手打ちをしても、こころは何も言えないだろう。

こころは慌てて頷き、「中村副会長の言う通りです。全てはまゆみの功績です。これからはまゆみが我が佐藤家の総監となり、佐藤家と三島グループの契約を全面的に担当します!」と言った。

中村みかはこれでようやく微笑み、まゆみと握手し、「今後ともよろしくお願いします」と言った。

まゆみはいまでも少し茫然としていて、ただ頷くだけだった。

会場は瞬時に拍手喝采となり、皆がまゆみに向ける目線も熱気に満ちていた。

この女性、一体誰に取り入ったのか!これほど三島グループに重用されるとは!

まゆみ自身も全く訳が分からず、健太を振り返った。今の状況は健太が先ほど言った通りであり、佐藤こころが本来自分のものである総監の職を返してきてくれた。

宴会が終わって家に帰るまで、まゆみはまだ混乱したままだった。

健太が以前に言ったことを思い出すと、まゆみの心には疑念が生まれた。この数日間、健太は何かが変わったようだ。

彼には自分が知らないことがたくさんあるようで、まるで層々の霧に包まれているかのようだ。

その晩、まゆみは京都で一躍有名になった!

誰もが知っていた、佐藤家には優秀な後継者が現れて、三島グループに大いに支援させているということを!

彼女がいれば、佐藤家の再興も間近なことだろう。

......

翌朝、まゆみは早々に目を覚まし、清々しい気持ちで会社へ向かった。

今日は総監としての初日であり、全力を尽くしてこの仕事をやり遂げたいと考えていた。

一方、健太が起きた後、いつも通り家事を始めた。

家事を終えて、市場へ昼食の買
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