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第7話

栄一の言葉を聞いて、私はこのことの全貌を理解した。

最初から抑うつ症や飛び降り自殺なんて全部作り話だった。

この女が栄一と私の離婚を迫るために、自らうつ病を装って死んだふりをしたが、事態が思った以上に拡大し、隠れ場所が危うくなったため、彼女は栄一に助けを求め、ここに連れて来られたのだ。

私は録音をしっかりと終え、二人の前に歩み寄った。

「もう隠す必要はないわよ、君たちの計画はすべて露呈している」

驚いた様子の二人が私を見た。

栄一は驚愕の表情で問いかける。

「君......どうしてここに?」

「これは私の家よ。どうしてここに来てはいけない?」

私は笑いながら、彼に思い出させるように答えた。

「今こそ、この『生き返った正妻』の真相を、世間にどう説明するつもりか考えるべきだわ」

彼の視線が私から手元のスマホに移り、顔が一瞬歪んだ。

すぐに態度を変え、懇願するように話し始めた。

「聞いてくれ......これは全てこの女が考えたんだ。私は騙されていただけで、本当に愛しているのは君なんだ」

「すぐにでも世間に話して、今までのすべてがこの女のせいだと言おうか。君とまた元のように......」

「冗談じゃないわ」

私は彼が私に近づこうとした瞬間、彼の顔に平手打ちをくらわせた。

「あんたみたいなクズを許すわけじゃないのよ」

栄一は恨めしそうに私を睨みつけたが、私に取りつこうと再び手を伸ばしたところ、助理に押さえつけられた。

私はその場を立ち去りながら、録音した証拠を全てSNSに公開した。

世論は完全に反転し、彼への非難が殺到した。

「ロマンチックな男かと思ったら、結婚詐欺のクズだったなんて。最低だ」

「あの女も、死んだふりをして金を騙し取るなんて、どうせなら本当に飛び降りればよかったのに」

「全員がクズで、彼女が彼らと関わったのが不幸だったね」

栄一は人からの罵声を浴び、街中を歩くのも憚るほどの立場に追い込まれた。

その後、私が裁判に勝ち、栄一は追い出されることになり、さらに誹謗中傷の損害賠償として二億円を支払うよう命じられた。

また、会社の役員会にも提案し、彼の役職を解雇してもらうことに成功した。

再び社長の座に就き、幸いにも、株式はすべて私の手元に残っていた。

それからしばらくして、栄一が私の家の前に現れた。

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