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第211話

「花、ちょっと聞きたいことがあるんだ」

「何?」

「俺が彼女に…そんなにわかりやすいか?」

遠藤花は一瞬で気づいたようだ。

彼女があまりに鋭いのか、それとも自分があまりに急ぎすぎたのか?

「まさか、自分では抑えているつもりだった?」花は逆に問い返した。

「俺が聞いているんだ、お前は質問するな」遠藤西也は眉をひそめ、「ただ俺の質問に答えろ」と言った。

花は答えた。「そうだよ、兄さん、すごくわかりやすい。ちょっと見ただけで、なんかおかしいってわかるから」

「俺たちがおかしい?」西也は片手をテーブルに突き、体を回して少し不自然な表情を見せた。「それって、俺だけがおかしいってこと?それとも......」

彼は言葉を少し詰まらせ、どこか照れくさそうにしながらも、答えを聞きたい気持ちは抑えきれない様子だった。

遠藤花がこんなに大きくなるまで、兄がこんなに戸惑っている姿を見るのは初めてだった。堂々とした遠藤大総裁も、好きな女性の前ではこんなに不器用になるんだ、と改めて知った。

「お兄ちゃんだけだよ」花はあっさり答えた。彼が何を聞きたいかはわかっている。「どう見ても片思いでしょ」

花はその瞬間を待っていたかのように、兄に対して究極の皮肉を言うチャンスをつかんだ気分だった。

西也の顔色は一気に険しくなり、花のあまりに率直な言葉に少し苛立ちを見せた。

しかし、矛盾しているのは、彼も花に嘘をついてほしいとは思っていなかった。

真実はいつも心地よくないが、逃げるわけにはいかない。

「どうしたの、気にしてるの?」花は彼の隣に座り、肘をテーブルにつきながら片手で顎を支え、興味津々に彼を見つめた。

「冷やかすんじゃない」西也は彼女の皮肉をすぐに封じ込めようとした。「今日の会話は、誰にも言ってはいけない。さもないと、お前を許さないぞ」

「はいはい、わかってるよ。特にあなたの若子には言わないってね」花は皮肉な調子で言った。

「何が『俺の若子』だ」西也は心臓がドキッとした。「変なこと言うな、彼女は俺のものじゃない」

「そうなんだ。てっきり、兄さんは彼女が自分のものになってほしいと思ってるのかと思ってたけど。私の見間違いだったんだね、兄さんもそこまで好きじゃないんだ」

兄をからかうのが面白くてたまらない様子の花は、さらに調子に乗った。

「花、お前、ちょっと調子
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