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第17話

「離婚ってどういうことだよ?」

裕司は少し驚いた。

秀一が結婚した時、裕司は治療中で帰国できず、結婚式にも出席できなかった。それに、秀一の妻には一度も会ったことがなかった。ただ青川や他の友人たちから、彼女は美しいがややおとなしい女性だと聞いていた。

その時、倫理的にどうかという話はさておき、友人たちは「秀一は3ヶ月で離婚するだろう」なんて賭けていた。しかし、3か月が過ぎ、さらに3年が過ぎた。

彼はその間に二人の関係が安定しているのだと思っていた。だが、戻ってきた途端に離婚の話を聞くとは驚きだ。しかも青川の話だと、離婚を言い出したのは秀一の奥さんの方みたいだ。それが裕司の興味をさらに引きつけた。

「そういえば、こないだ彼女に会った時、会社で秀一が彼女をストーカー扱いしてたんだよ。でも、彼女、秀一のことなんて全然気にしてなくて、逆に罵ってその場を去ったんだよ。あいつ、まだ強がって「ただの夫婦喧嘩だ」なんて言ってたけどな」

青川は笑いながら話しすっかりその出来事に夢中になっていた。

秀一の顔色が一気に曇り、「その口、黙れ!」

「フラれたくせに、話すなって?」青川は「チッ」と舌打ちをしながら、軽く茶化した。

秀一のこめかみに青筋が立ち、怒りを抑えているのが明らかだった。

裕司が青川の足を軽く叩いて、青川もタイミングを見計らって話題を変えた。「そうだ、秀一は南山病院にコネがあるだろ?彼に頼んで、その女の子の情報を調べてもらえないか?」

「どの女の子?」秀一が問うた。

青川は、病院での出来事を話に尾ひれをつけて説明した。

秀一も驚いたようだが、興味を示し「彼女ってどんな顔だった?」と詳細を尋ねた。

青川は冗談っぽく言った。「裕司の話を聞いてると、まるで天使みたいだな」

裕司も笑いながら答えた。「確かに、彼女は天使みたいに綺麗だったよ。ただ、ちょっと気が短いところがまた可愛かったけどね」

秀一は少し考え込んでから、「他に特徴は?後で電話して、ちょっと調べてみようか?」と言った。

裕司は首を横に振り、「いや、やめておこう。あの子の性格からすると、もし俺が彼女のことを調べたって知ったら、きっと怒ると思うんだ。自然の流れに任せるよ。もし縁があれば、また会うだろうし」

青川は眉を上げ、「たった一度会っただけで、その子の性格がわかるのか?」

「直感
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