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第7話

辰也の異常な行動は、ついに両親の不満を招いた。

北川母は激怒しながら屋敷にやって来た時、辰也は庭の花に水をやっていた。北川母は花鉢を乱暴に投げ飛ばし、鋭い声を放つ。

「今の自分の姿を見てみなさい!人間らしさの欠片もないわ!」

花鉢は硬いコンクリートに叩きつけられ、粉々に割れた。

辰也は慌ててそれを拾い集めるが、その中身は露わになっていた。

それは、私の頭蓋骨だった。

北川母は驚愕し、部屋にある他の花鉢も見回した。そこには、私の他の骨が入っていた。

「辰也、あんた、狂ってるわ!」

辰也は目に涙を浮かべ、震えながら言った。

「母さん、俺はただ、彼女が恋しくて…」

「藍井と結婚したあの日、彼女が見えた気がしたんだ」

「でも、怖くて認められなかった。彼女が俺を責めるのが怖かったんだ…」

「だから、彼女を俺の傍に留めておきたいんだ。もう少し、あと少しだけでいい…」

自分の息子である以上、北川母は彼を完全には責められなかった。彼の肩に手を置き、優しく彼を抱きしめる。

「私に考えがあるわ」

「以前、ある人から勧められた霊媒師がいて、彼は神仏と交信できるって聞いたの」

辰也は目を輝かせた。

「本当に?母さん、それは本当?」

北川母は静かにうなずいた。

「ええ、ただし、約束してほしいの。この儀式がうまくいかなかったら、昔のようにちゃんと生きて。それでいい?」

辰也はこの機会を逃すはずがなかった。即座に頷いた。

私はこれが、北川母が辰也を元の生活に戻すための一計だと思っていた。

だが、その霊媒師は本当に力を持っていた。

辰也の話をもとに、私の生年月日を計算し、彼に告げた。

「彼女を呼び戻すことができる。救うことも可能であろう」

「ただし、お主は自分の命を彼女に分け与えなければならない」

辰也は口元を緩め、久しぶりに笑みを浮かべた。

「本当ですか?!」

「命を分け与えてもいいんです。むしろ何でもいいんです!」

霊媒師はその言葉を聞いて、首を振った。

「お主が了承しても意味がない」

「彼女がそれを受け入れる必要がある」

霊媒師は空虚な場所を指さした。

私は驚きのあまり目を見開いた。彼は私が見えている。

辰也は歓喜し、その方向に向かって慎重に歩み寄る。

「杏子…そこにいるのか?」

「俺のことが見えるのか?俺の声が聞こえる
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