第51話

　久しぶりの同窓会、懐かしい顔ばかり。

真澄は外向的な性格で、誰とでも人懐こく喋っていた、だがみんながびっくりしたのは優子が来たことだった。

多くの同級生が彼女を囲んで、矢継ぎ早に問いかけた。「優子、結婚したって聞いたんだけど？、結婚式に私たちを招待しないなんて、水臭いじゃない、私たちを見下しているの？」

優子が答える前に、別の女性の高い声が聞こえた。「私たちを見下してるわけじゃなくて、高橋家が破産して、優子が私たちに顔向けできなかったんじゃない？」

話したのは以前優子と仲が悪い菅野真菜だった、当時、菅野家は高橋家に劣っていた上に、真菜はいつも優子に負けていた。

美人の代名詞のはずだった彼女は、優子の隣にいると、見劣ってしまっていた、だから、彼女は優子に嫉妬していた。

今では、高橋家が破産し、長い間姿を見せなかった優子が再び現れた今、彼女は優子を侮辱することができるこの機会を見逃すはずがないのだ。

クラスの班長である植野眞は、雰囲気を和らげようとした。「菅野さん、そんなこと言わないで、人生はずっと順風満帆のものではないから、せっかくみんなが集まったんだから、そんな話はよしましょう」

真菜は不機嫌になったが、班長の顔を立てないといけないから、その話題をやめた。「いいわ、やめてあげる、でも、誰かさんは恥ずかしくないの？ここ何年、姿を見せなかったくせに、今利益があるから、ぬけぬけともらいに来るとは」

「どんな利益？今日は同窓会じゃなかったの？」優子が困惑した顔をした。

「本当に知らないの？今日来たみんなは恋美病院が目当てなのよ」

優子はこの一年を無駄に過ごして、世間の変化は全く知らないと実感した。

植野眞が親切に説明した。「恋美病院はここ数年の最大の医療施設で、設立に700億円も注ぎ込まれたんだ」

真菜が鼻を鳴らした。「恋美病院の方針はトップクラスの国際病院を作ることで、選りすぐりの医者と設備が揃ってるわ、もちろん待遇も国内の他の病院を遥かに凌いでる、こんないい話があるから、班長みたいな優しい人は、当然最初にクラスメイトの私たちに持ちかけてくれるわ」

周りの同級生も興奮して議論していた。そこに入職できれば、待遇が今の三倍になる、もちろん入職が難しいけど、もしコネがあれば、それが簡単になるんだ。

説明を聞いた優子が理解した、植野眞は元々名高い漢