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第0025話

高橋家も結婚式の招待状を受け取っていたため、陸は、紗月を出所後に迎えに行く際、念のために家から2枚の招待状を持ってきていた。

紗月は遠くから恵子の姿を見て、顔をこわばらせた。

「陸」と彼女は低い声で呼んだ。

陸は一瞬驚き、振り返って紗月を見た。

「どうした?」

「なぜ恵子がここにいるの?」

伊藤恵子、それは紗月の継母だ。

紗月の母が亡くなった後、父親はしばらく一人で過ごしていた。6年前に恵子と出会い、恋に落ちた。しかし紗月が理由で、なかなか再婚に踏み切れなかった。

ところが、佐藤グループが倒産した後、恵子はすぐに姿を消した。

紗月は彼女もただの虚栄心にまみれた女で、佐藤家が没落すると同時に逃げ出したのだと思っていた。

だが今、目の前のこの光景を見て、彼女の胸は激しく刺し貫かれた。

陸は紗月の視線を辿り、眉をひそめた。「紗月、彼女は温香の父親と結婚したんだ」

紗月は雷に打たれたような衝撃を受けた。

ふん......

この世界はなんて狭いんだろう。

彼女は拳を握りしめ、恵子を冷たい視線でじっと睨みつけた。

恵子は国輝に寄り添っていたが、ふと紗月の冷たい視線と目が合い、小さく叫んでしまった。そして無意識に国輝を押しのけ、まっすぐ立ち上がった。

「紗月?」

彼女が出てきた?

確か2年の刑を受けたはずなのに、まだ1年しか経っていない。

恵子の声は大きくなかったが、それでも周囲のゲストの注意を引いた。

ここにいる人々は皆、紗月のことを知っている。1年前に投獄された、中川涼介の元妻だ。

国輝は眉をひそめ、紗月を追い出そうと警備員を呼ぼうとしたが、その時、ホテルの大きな扉が開いた。

一人の長身の男性が現れた。涼介は黒いスーツに身を包んでいた。そして、髪は整然と後ろにまとめられており、数本の前髪だけがゆるく額に垂れ、冷たく鋭い眼差しを少しだけ和らげていた。

その場にいた全員が息を飲んだ。同時に、彼らの目にはわずかな好奇の色が浮かんでいた。

涼介の元妻が、刑務所から出所してきて式を壊しに来たのか?

涼介は紗月の方に視線を向けた。

彼女の血の気がない白い肌、落ちぶれた様子でありながらも、決して屈しないその目。

涼介は眉をひそめ、思いもよらぬ再会に心を揺さぶられた。

紗月も彼を見つめ返した。以前のように逃げることはせず、まっすぐ彼の
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