ヴァールスの血を引く者は代々、自身の体内で多量の血液を生成する能力を持って生まれる。本家の者の能力は一族の中でも一層強い。ヌェーヴェルは本家の嫡男であり、一族の中でも極めてその能力に優れている。 吸血鬼と人間の戦で生き残った2人の吸血鬼。ひょんな事から、2人は超優良物件(ヌェーヴェル)に住みつく。 3人の歪んだ関係が織り成す、ちょっとふしだらな日常の物語。 *** 主な登場人物(登場時点の年齢) 身長 ヌェーベル・ヴァールス(17) 178㎝ ヴァニル(300over) 189㎝ ノーヴァ・ドゥラリネ(200over) 150㎝(大人の姿:186㎝) ノウェル・ヴァールス(17) 180㎝
Lihat lebih banyak俺以外に笑顔を振り撒くことに少し腹が立つのは、ノウェルの言う通り俺がヴァニルを好いているからなのだろうか。これが、嫉妬というものなのか。「ほら、ヌェーヴェルもノウェルの方を向いてください。貴方の心がノウェルへ向いたとしても、今貴方のナカに居るのが誰なのか、しっかりとここで感じてください」 ヴァニルは俺の下腹部を握って言った。意図して爪を立てられ、皮膚にくい込んだそこからタラッと違う流れる。「イァ゙ァッ····」 痛みと快感が同時に走った。そこを刺激されると、俺の身体はイクように躾られているのだ。「やっ、あぁっ♡ ぅあ゙あ゙ぁぁっ!! 爪っ、痛゙いぃ! やめっ、腹を握るなっ──んはぁっ····ヴァニル、嫌だ、そのまま奥抉るなぁぁ!!!」 ここから、ヴァニルの容赦のない責めが始まった。 ノウェルと向かい合わせにされ、互いの漏らす嬌声を耳元で受けながら、腹の奥をぐぼぐぼ抉られ続ける。ケツも腹も麻痺してきて、段々と感覚がなくなり、叩きつけるような衝撃が脳まで痺れさせる。 それなのに、快感がやまないのは何故なのだ。「ヌェーヴェル、息しててくださいよ。まだまだ、これからなんですから、ねっ」「ンンッ、イ゙ッ、にゃぁぁぁぁっ!! もうらめらって、奥やらぁ!! も、もぉけちゅの感覚ないんらって。けちゅおかひくなってぅからぁ!!」「ヌェーヴェル、落ち着いて。大丈夫だから····ん、ふぅ····はぁ··ン····」 ノウェルが甘いキスをしてくる。どうしてくれよう、声を出さないと苦しいのに、口を塞がれてしまった。「あぁ··、締まりますね。喋れていないのも可愛いらしいです。ヌェーヴェル、ノウェルとのキスは気持ちイイですか?」「んっ、はぁっ&m
月明かりが眩い夜更け。俺に跨るヴァニルの顔がよく見える。無感情に作られた笑顔が、身震いしてしまうほど恐ろしい。「おや? ヌェーヴェル、震えてませんか? 寒いですか?」「違····お前が怖いんだよ」「そうですか。自業自得ですから、仕方ありませんね」「なぁ、何が気に食わなかったんだ? ノウェルと出掛けた事か? それとも、煽った事か?」 震える声で聞く俺を、蔑むような冷たい眼で見下ろす。愛だの恋だのと言っていた甘い雰囲気は何処へやら。 吸血鬼たる冷酷さが剥き出しになっている。その無機質な瞳からは、背筋が凍るような殺意を感じた。「全部です。慰みにノウェルを選んだ事も、あんな厭らしい顔で帰ってきた事も、全部。ですが、貴方は私を妬かせたかったんですよね。えぇ、充分妬いてますとも。その結果がこれです。満足ですか?」 饒舌に嫌味を垂れるヴァニル。嫉妬深さを知っていながら煽った、俺の落ち度である事は間違いない。けれど、それにしたって限度というものがあるだろう。 ヴァニルを部屋に迎え入れた途端ベッドへ放り投げられた。挙句、ヴァニルが腰の上に跨っているから、蹴って抵抗する事もできない。「ヴァニル、あまりヌェーヴェルに酷いことをするなよ。瀕死のヌェーヴェルを見るのは嫌なんだ」「大丈夫ですよ、ノウェル。この人、死にかけて感じてますから。貴方が、虫の息のヌェーヴェルを見るのが辛いのは知ってます。いつも目を伏せてますものね。しかしまぁ····ヌェーヴェルを連れ出した事、怒ってないわけじゃないですからね」 冷ややかな目でノウェルに言い置くと、ヴァニルは俺のケツをろくに解しもしないで捻じこんできた。 自分のブツのデカさを考えろ。そう言ってやりたかったが突然与えられた痛みに耐えきれず、思わずヴァニルに抱きついてしまった。「い゙っ··ンァ····ヴァニル、痛い··&mid
抵抗する余力もなく自ら穴を拡げ、勝手に振れてしまう腰がノウェル誘う。ノウェルを受け入れる体勢が、完璧に整ってしまったじゃないか。「いくよ。根元まで全部、いっきに挿れるからね。最奥で僕を受け止めて。ハァ····ンッ゙··愛してるよ、ヌェーヴェル····ヌェーヴェル····」「ひぎぃ゙っあ゙ぁ゙ぁあ゙あ゙ぁ!!! らめぇっ、腹裂けてるっ!! やらぁっ、腹あちゅい! ノウェルの精子あづいぃぃっ!!!」「んぐっ····そんなに可愛いと、射精が止まらないじゃないか」「バカッ!! どんらけ出すんらっ! あ゙ぁ゙ぁ゙~~っ····噴くの、止まんにぇぇぇ····」「ンッ、あぁっ······このままもう1回、いいかい?」 と言いながら、もう腰を振っているじゃないか。「ひぃっ、いいわけねぇだろ! ぬ、抜けよ····」 聞いたくせに、俺の言葉を無視するノウェル。その後も、欲望のままに俺を犯し尽くした。性欲で言うと、ノーヴァとヴァニルの間くらいだ。 俺は失神を繰り返し、気がつくと窓から朝陽が差し込んでいた。「ノウェ··もう、朝ら····いつまでヤッてんら······」「本当だ、心地いい朝だね。。すまない、君に夢中になりすぎていた。本当に、もうこれで最後にするからね」「嘘らろ····まらヤんのか&
ノウェルは屹立したそれを入り口に馴染ませると、俺の反応を見ながらゆっくり挿入した。「んぁっ····前立腺、ゆっくり擦るな····」「これ、気持ちイイね。あぁほら、どんどん溢れてくる」「勝手に出るんだから、しょうがないだろ。あぁっ! 待て、奥はダメだ」「すまない、痛かったかい?」「違う····すぐに、その、イッてしまうから····」「そうか、痛くないのなら良かった。けど、奥はもう少し解してから貫いてあげるね」「ふあっ、やめろって! 本当に、止まらなくなるからぁっ」 ノウェルは予告通り、奥をグリグリとちんこの先で解すと、一息に差し貫いた。「んあ゙ぁ゙ぁ゙ぁぁ!! やっ、ああぁっ····ダメだ、やめっ、ひあぁっ··止まんねぇ····」 潮を噴くのが止まらなくなり、ベッドも俺達もぐしょぐしょになってしまった。非常に気持ち悪い。これは何度やらかしても慣れない。 なのに、ノウェルは嬉々として奥を抉り続ける。「はぁ····ンッ、ヌェーヴェル、後ろから突きたい。そのまま体勢を変えられるかい?」 なんて聞きながら、強引に足を持ち上げて俺を半回転させる。俺はへばりながら、腕で支えてなんとか身体を捻じった。「お前のこと··だから、俺の顔を、見ながら··ヤりたがると··思ってた。んあ゙ッ····奥、も、やめろぉ····」「よく分かっているね。君の顔が見られないの
ノウェルの間抜けな微笑みを見て心臓が跳ね、抱き締めたいと思った。これは、俺がこいつに恋をしているからなのか。本当にこの気持ちの正体が、バカ2人とノウェルへの恋心なのだろうか。 到底認めたくないが、症状がノウェルの定義した“恋”には当てはまる。だとしたら、これは由々しき事態だ。性別どころか人数まで、俺はどこまでいい加減で不誠実なのだ。 こいつらに本気で心を奪われる事など、有り得ないと確信していたのに····。 これまでの俺は、女に限らず他人を信用しないで、家督を継ぐ事ばかり考えていた。だから、何かに心を揺さぶられようが、それはひと時の迷い事でしかない。そう思っていたのだ。 だからこそ、今まで真剣に考えてこなかった。恋などというものを、まさか自分ができるとも思っていなかった。憧れだけを残し、政略結婚をするのだろうと踏んでいたのだから。 こんなにも他人を自由に想う事ができたなんて、正直戸惑いを隠せない。しかし、ようやく向き合う決心をしたのだ。これまでの凝り固まった考えなど捨て、柔軟にこいつらと向き合いたい。だが····「俺は、お前の定義でいくとマズいんだ。ノウェルだけじゃなくて、ヴァニルとノーヴァにも恋をしている事になる。こんな不誠実なものが恋なわけないだろう」「確かに不誠実かもしれないね。けど、全部恋でいいんだよ。君は、僕達それぞれを想ってしまった。それだけの事さ。いずれ、僕を選んでくれればそれでいいんだよ」 愛情に見せかけた、傲慢でエゴイスティックな笑顔を俺に向けたノウェル。妖艶とも不気味ともとれるその厭らしい笑みに、俺はまた鼓動を高鳴らせる。「そんなの····選べるかわかんねぇ··から、約束なんてできない」「今はそれでもいい。君の心がほんの僅かでも、僕に向いてくれているのなら」 ノウェルは優しいキスをする。ノーヴァとヴァニルは滅多にしない、唇を重ねるだけのキス。キスって、こんなにも
俺は、ノウェルをイェールに盗られたくないのだろうか。胸を張って“好き”だとも言ってやれないのに。「君が僕とイェールの関係をハッキリさせたいのなら、僕はいつだってイェールを突き放すよ」 俺の頬に手を添え、迷わずに言い切ったノウェル。俺は、その言葉に安心してしまった。「イェールには申し訳ないけれど、君と愛を交わす為に利用させてもらっているだけなんだから。ヌェーヴェル、安心しておくれ。僕はいつだって君の思い通りに動くよ」「そ··んな事····俺が言える立場ではない。イェールの事はノウェルが決めればいい。でなければ、イェールに不誠実だろう」 ノウェルの目を見て言うことができない。どれほど卑劣な考えがよぎっているのか、自分でわからないはずがないのだから。「はは····君は本当に真面目だね。そして狡い。自分の気持ちは見ないフリしてしまうのだから」「そんなつもりじゃ····いや、そんな事はない。気づいたんだ。俺は自分の事ばかりで、お前達の好意を蔑ろにしていた」 ノウェルから逸らしている視線を、さらに落として続ける。俺はこれを、自身への戒めとして口にするのだ。「クソ親父みたいな人間にならないようにと思っていたのに、結局アイツと同じ事をしていたんだ。俺は、俺が許せない····」 ノウェルはそっと俺の肩を抱き、瞼に優しくキスをした。ふと、目が合う。俺に似た顔で、俺にはできない優しい目で俺を見つめる。「ヌェーヴェル、ベッドに行こうか」「······あぁ」 俺たちはたどたどしく触れ合う。2人きりでするのは初めてだ。だからなのか互いに緊張を隠せず、妙な遠慮を孕んでいる。「お前が挿れるのか?」「君、僕
感情が昂って喚いた俺を馬鹿にするように、ノーヴァは鼻で笑って言う。「ちっさ。前に聞いた時も思ったんだけどさ、ただの我儘マザコン坊やだよね」「ぶふっ····ノーヴァ、そんなはっきり言っては悪いですよ。幾らくだらない理由だからって····」「くだっ····お前らに俺の気持ちなんてわかんねぇよ! もういい。何もかも嫌だ。暫く俺の部屋には来るな!」 2人を追い出して、俺はベッドに倒れ込んで泣いてしまった。勝手に溢れて止まらなかったんだ。 心の傷を嘲笑われたの事や男として終わっていた情けなさ、他にもぐるぐる巡る様々な感情で気持ちがぐじゃぐじゃだった。 嫁探しは白紙に戻したい。けれど、跡を継ぐ事は諦めない。などと、そんな勝手が許されるはずはない。百も承知だ。 それでも、もう決めた事。後継問題は先送りにして、跡を継ぐ事に専念するしかない。後の事は継いでからどうにかすればいいのだから。 このくだらない実験に、意味があったのかは分からない。俺が傷ついただけな気もする。だが、できる事とできない事が分かっただけでも儲けものだ。今はそう思う事でしか、自分を慰められなかった。 どのくらい経ったのか、いつの間にか涙は止まり呆然と天井を眺めていた。何もかも投げ出して逃げてしまいたい。いっそ、今すぐ吸血鬼になってしまおうか。そう思った瞬間だった。 コツコツと遠慮がちに窓を叩く音。ノウェルだ。ノーヴァとヴァニルよりも小ぶりな羽をバタつかせている。 俺は無気力に窓を開け、思考など手放してノウェルを迎え入れた。「お前、飛べるんだな。いよいよ吸血鬼らしいじゃないか」「あはは、意地悪を言わないでくれよ。あまり試したことがないから、奴らほど上手くは飛べないんだけど····ってヌェーヴェル、もしかして泣いていたのかい?」 心配そうな困り眉になり、俺の目尻を親指で拭う。乾い
俺は、嫁探しの話を白紙に戻そうと模索していた。あまり時は無い。早々に理由を考え、どうにかして父さんを言いくるめなければ。 そう思っていた、見合いを終えた日の夜。「ノーヴァ、今日は勘弁してくれ。本気で言い訳を考えにゃならんのだ」「話はわかったけどさ、何にしても試しておかなきゃダメでしょ」 と、ノーヴァは俺のちんこを弄りながら言う。「試すたって····この間、お前のケツでイけたじゃないか」「お尻じゃ赤ちゃんデキないでしょ。バカなの? それに、ヴァニルに挿れられてたし。女でイク気ないじゃん」「うっ··あ、あるわ! で····なぜ手でするんだ? また女体化するんじゃないのか?」「あー····初めから女の姿がいい?」「まぁ、な。どうせ童貞は奪われたんだ。もう気にしなくていいなら、楽しめるものは楽しまなきゃ損だろ」「ヴェルさぁ、ホント欲に忠実すぎない? かつて出会ったどんな人間より素直に貪欲だよ」 褒めているのか貶しているのか知らないが、ノーヴァは呆れ顔で女に変身し、いよいよ女の身体をいただく流れになった。にしても、この緊張感は何だ。 どういうわけか震えが止まらない。震えている事がバレないよう慎重に触れてゆく。その所為か、思うように事を運べない。 悔しいが、ノーヴァの手解きに従い進めてゆく。「ん····そろそろ挿れていいよ。ヴァニルは手を出しちゃダメ。実験が終わるまで、上手に“待て”できるよね?」「わ、わかってます····」 俺の背後に近づいてきていたヴァニルは、ゴクッと息を呑み引き下がった。ノーヴァのこんなにも破廉恥で妖艶な姿を見れば、誰だって従わざるを得ない。 あまりにも残酷な結果だったの
流石に、本気で俺を睨むヴァニルにはビビった。調子に乗り過ぎたかもしれない。「お前、眼がシャレになってないぞ····。わかった、なら吸血だけは──」 ヴァニルは俺の後ろ髪を鷲掴むと、大きく見開いた目で見つめながら、ポツリポツリと言葉を刺してきた。「念の為、はっきり伝えておきますが。貴方が他の誰かを愛するなんて、私は嫌なんですよ。どれほどの衝動を抑え耐えているか····ましてや、貴方の子なんて見たくもない。なんなら嫁をくびり殺してやりましょうか?」 そう言ったヴァニルの顔は、怒りつつもとても哀しそうだった。申し訳ない気持ちと共に、こいつを裏切ってしまうような罪悪感が湧き上がった。おかげで、いつもの憎まれ口も叩けない。 何もかもがどうでもよくなって、ただヴァニルにこんな顔をさせたくないと思うだけだった。本心の知れない女や俺に関心を持たない女より、俺を求めてくれるこいつらと生きるほうが幸せなのかもしれない。そう思わざるを得なかった。「嫁····そんなに嫌か?」 ヴァニルの頬を指で撫でながら問う。俺から触れるなんて、随分心が参っているようだ。 俺から触れた事に驚いたのか、いつもの胡散臭い穏やかな目に戻ったヴァニルは俺の手を握って言う。「嫌ですよ。貴方は、慕う相手が目の前で他の誰かに奪われるのを、指を咥えて見ていられるんですか?」「そんな事··できるわけ、ない····よな」 俺は自分の事ばかり考えて、こいつらの気持ちを軽んじていた。今更だが、己の身勝手さに辟易する。「悪かった。俺は父親への復讐ばかり考えて、跡を継ぐ事に固執していた。何より、お前たちの気持ちに甘えて蔑ろにして、俺が一番なりたくない人間になっていた」 俺自身が過ちを認め詫びたからとて、こいつらを傷つけた事実は変わらない。だから、これから誠意を持って向き合う
俺に跨り、首筋へ牙を食い込ませているこの少年の名はノーヴァ。すぐそこで、恍惚な表情を浮かべアソコを滾らせているのが、ノーヴァの養父であるヴァニル。「ちょっとぉ、どこ見てんの? こっちに集中してよ」「ん゙っ、うぁ··」 ノーヴァは俺の血を啜りながら、ケツに凶悪なブツをねじ込んでいる。それを遊び感覚でされているのだから堪らない。 何より、少年の股間に付いているとは思えない、俺のよりもデカい魔羅《マラ》だ。俺のケツの将来が危ぶまれる。 「あぁっ··ノーヴァ、早く私にもくださいよ」「煩いなぁ、ヴァニル。ヌェーヴェルは今、ボクと楽しんでるんだからね。大人しく“待て”しててよ」「はぁ~っ····ノーヴァは意地悪ですねぇ」 俺のことなどお構いなしで、自分たちの世界に引き摺り込んでくる。まぁ、いつもの事だが。 幼顔を快楽に歪める、なんとも背徳感に満ちた情景。オツなものだと思われるのだろうか。否、最悪で最低な気分だ。 この、どうしようもなく欲に忠実なコイツらは、とうの昔に滅びたとされている吸血鬼。俺の血を啜り、快楽の底へと叩き堕とす変質者どもだ。 先の戦争を生き延び、人知れず闇に紛れて生きてきた。我々人間に迫害され、残虐の限りを尽くされてきた種族だ。 100年ほど続いた凄惨な戦いで遺ったのは、ゴミみたいなものだった。人間の醜悪な優越感によって確立された、吸血鬼は悪の暴徒だという印象。それと、人間は崇高だというクソみたいな2種族間の優劣。 だからと言って、憐れだとか庇護すべき対象とは思っていない。生き残りと言えば希少な気はするが、ただ図太くしぶとく人間を貪り喰ってきただけの奴ら。出会った当初は、ただただ忌むべき存在だった。 吸血鬼は特有の能力で若さを保っている。ノーヴァの実年齢は200歳を超えるらしいが、せいぜい12歳程度にしか見えない。 時々大人の姿になるのだが、体力を使うとかで俺の血を大量に吸うから禁止した。超絶美少年で、稀に超絶美男。腹が立つほど見目麗しい。 ヴァニルは20歳そこそこの見た目だが、実際は300歳を超えているらしい。吸血鬼の平均寿命って何歳なんだろう。年齢詐称ジジイのこいつは、銀髪紅眼のくっそイケメン野郎。そして、絶望的な変態だ。絶対に女は喰わないらしい。 俺のような容姿端麗な若い男が好みらしく、選り好みが激しい。俺がノー...
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