親戚の前で、瑠璃子の面子を考えて、真弓はソファの隅に座った。皆から離れて孤独に見えた。「真弓、お婆さんの誕生日にプレゼントを用意しなかったのか?」一夫の妹の美佳子が怪しげに聞いてきた。美佳子の家族全員が鈴木家で働いており、一夫を頼りにしていた。菫と仲が良くて、美佳子のお陰で、菫が一夫と知り合って一緒になった。真弓は嘲笑した。突然、瑠璃子と文哉が一緒になったことも美佳子のお陰だと思い出した。瑠璃子は物真似が上手だよね!「彼女のプレゼントなんかいらない」梅子が軽蔑の口調で言った。「彼女の分際で良いプレゼントを買えるのか?貧乏の癖に!」「おばあちゃん、姉さんを見下さないで、姉さんは今星野グループを引継ぎました。星野グループがここ数年景気が良かったですよ。この前、姉さんが友達を戸川亭で招待しました。戸川亭での消費は最低でも数十万円がかかります。私はめったに行けないですが、千葉紀子が御馳走してくれたくて行きましたけど......」瑠璃子は長く話してから、突然黙った。 間違ったことを言って突然気づいたようだった。「真弓、楽しく過ごしているようだね!」梅子は皮肉に言った。「真弓、これは良くないね。そんなに高いレストランで友達を招待したのに、お婆さんの誕生日プレゼントを用意しないなんて、礼儀悪いよ」美佳子が年長者の口調で言った。「そうだ。真弓は恩知らずだね。お婆さんの誕生日、年に一回だけなのに......」「瑠璃子を見て、お婆さんに服を設計したのよ。お婆さんの服を見て、ゆったりとして綺麗だろう」客間にいる親戚たちが皆真弓を嘲笑いした。今迄は黙っていた。しかし、今、彼女は叱られる子供じゃなくなった。「私が間違っていなければ、お婆さんが着ている服は、千葉グループ傘下のSWシリーズの春のデザインで、しかも去年のデザインですね」真弓は直接暴いてやった。瑠璃子の顔が青ざめた。 彼女が反論する前に、真弓は付け加えて言った。「中高年向けのシリーズが人気がないため、このデザインは有名じゃありません。私が千葉グループにいた頃、このシリーズの服は1万件以上の在庫がありました。ただで文哉からもらったのでしょうか」瑠璃子の顔が青ざめた。真弓に暴かれて、彼女は凄く恥ずかしくなった。彼女はただ簡単で済むと思って選んだプレゼント
一夫は、親戚たちが彼が作った動画の素晴らしさに驚いたと思っていたが、突然にお母さんの暗くなった顔に気づいた。瑠璃子もこの時急いでステージに駆け寄り、心配そうにスクリーンを指差して注意させた。「お父さん、お父さん......」一夫は振り返った。 スクリーンを見て、その画面にびっくりして心臓が止まったところだった。全て彼が信子との不倫の画面で、写真だけでなく、動画、そしてチャット記録もあり、こんな露骨な内容で彼の面子を丸潰した。暫く経ってからやっと正気に戻り、一夫はスタッフを怒って叱った。「閉じってくれ!」吃驚したスタッフが怖がって、すぐに画像を閉じった。しかし、内容は既に皆にはっきりと見られた...... 「誰がやったのか?誰だ?」一夫は激怒し、ステージで怒鳴った。梅子は怒って顔が青ざめた。 沢山の親戚の前で彼女は面子が潰されて、祝宴の雰囲気も壊された。梅子の隣に座っていた菫が、この屈辱的なシーンを見て、怒ることすらできず、ただ可哀想に涙を流し続けた。「お父さん......」瑠璃子が彼を引っ張って、落ち着かせようとした。 一夫は歯を食いしばり、そこにたくさんの親戚がいるのを見て、激しく言い出した。「宴会を始めさせて頂きます。さっきの画像は僕を嵌めるために、加工して作られたものです。こういうくだらない人の仕業に影響されないでください」一言を残して、腹立ってステージから降りて行った。自分の座席に戻って、彼の顔色が青ざめた。「一夫、前に外で何をしたかもう構わなかった、私の知らないことはどうでもいい、でも、今日、皆の前で......とにかく、この女、二度と私の前に出てくるんじゃない!」梅子が歯を食いしばって怒鳴った。「お母さん、これは......」 「言い訳するな」梅子は怒って叱った。「菫、この女、君に任せる。根絶してやれ!」目が赤くなった菫が不満そうに言った。「分かりました、お母さん」「いただきます!」梅子が食事をし始めた。今日の誕生日パーティーはすべて台無しだった。どれだけの人に笑われるか知らないかった。本当に縁起が悪かった。一夫は暗い顔をして、多くの親戚の前で我慢をするしかなかった。真弓は別のテーブルに座っていた。鈴木家のルールでは、年長者、そして辰巳のような直系子孫だけがメイン
真弓に言われて瑠璃子は言葉を失った。 「真弓、瑠璃子は君のことを心配したのに、どうしてこんなに情けなくて、彼女を苛めたの?僕と別れて気が済まないと思うが、どうせ、僕たちは親戚じゃ......」 「文哉、何度も言ったが、自分を買被りしないで、私にとって、君は既に死んだ。瑠璃子のことが嫌ったのは君と無関係だ。勿論、少しの関係はある」真弓は一旦止まって続けて言った。「さらに嫌いになっただけだ」「姉さん、私を揶揄ってもいいが、文哉君を責めないで......」 瑠璃子の話しが終わらない内に、真弓は向きを変えて去って行った。ほんとに、みっともなかった。真弓の背中を見て、瑠璃子がかっとなって悲鳴を上げそうになった。文哉も同じぐらい怒っていた。彼の事をも益々気にしなくなった。「真弓」一夫が彼女を大声で呼止めた。 真弓は唇をすぼめた。 彼女は非常に不本意ながら向きを変えた。鈴木家に戻って、彼らの用事が済まないと、彼女は簡単に離れないと分かっていた。「ついて来てくれ」一夫が一言を残して行った。真弓は我慢して彼の後を追って行った。今度、呼び戻して、彼女を揶揄うだけではなく、きっと何かの企みがあると思った。鈴木家の2階にあるスカイガーデンに来た。 一夫が立ち止まり、冷たい口調で聞いた。「今日の事、君がやったのか?」「何のことですかお父さん?」真弓はわざと分からないふりをした。一夫は怒りを抑えた。「もちろん画像の事だよ」「お父さんの買被りです。私は星野グループに就任したばかりで、信子さんとのことを知る筈がないでしょう......」「もういい!」一夫は怒鳴って彼女の話を中断した。最初に真弓を疑っていたが、信子の事があまり知られてないし、会社に来たばかりの真弓に知られるわけがないと思った。彼女はそんなに凄いと信じたくなかった。「これから男を紹介してあげるから、付き合ってみてくれ」一夫が単刀直入に言った。「君のような女、身の程を弁えて、気を利かせてよ」そう言われた時に、スーツ姿の男が現れて、それはさっき隣に座っていた男だった。「こちらは馬場先高志だ。お婆さんの孫嫁の兄で、今年35歳、年齢的にぴったりだ」一夫が紹介した。彼を一瞥して、真弓は話さなかった。 高志は率先して手を伸ばしてきた。「
真弓は目前の男を見つめた。少しお腹が出て、確かに普通で、あまり印象に残らないタイプだった。彼女は視線を引っ込めて、さりげなく言った。「成程、それで馬場先君に無理させるつもりはありません」「僕は樋口グループでどんな身分だと思う?トップクラスで、年収数千万円だぞ」高志は腹立つながら誇って言った。真弓は「チェっ」と言って、気にせずに立ち去った。 真弓の背中を見て、彼は暫く呆れた。自分の条件で、真弓は喜んで承諾してくれると思ったが、彼女に軽蔑されてどうも理解できなかった。元々真弓のことを気にしていなかったが、鈴木家が北城で実力があるから、断れなかった。でも、今日、真弓を見るとびっくりするほど、写真よりきれいだったことを知った。こんな女、嫁じゃなくて、遊び相手としても悪くはないと思った。口角に非常に邪悪な笑みが浮かんだ。この時、真弓は高志の気持ちを考える余裕はなかった。早く鈴木家を離れたかった。「姉さん」後ろに再び瑠璃子の声が伝わって来た。真弓の顔が暗くなった。 文哉の傍にいてあげなくて、どうして自分ばかりに付き纏って来るのか?!「高志は普通の恰好ですが、誠実で信頼できる人で、収入も安定していて、あの消防士よりずっといいでしょう!継母なら、もっと安心できる相手を選んだ方がいいじゃないですか?」瑠璃子は優しく言った。 「醜いから正直者と言えるのか?」真弓が振り返り、瑠璃子を一通り見つめた。真弓に見つめられ、瑠璃子は緊張してきた。「君に悪知恵が多いじゃないか?」真弓は嘲笑し、一言を残して去って行った。しばらくしてから、やっと真弓の話の意味を悟った。彼女のことを醜くて悪いと罵ったのだった。彼女の顔色が瞬く間に真っ赤となった。でも、真弓はとっくに見えなくなった。瑠璃子は歯を食いしばった! 今日、真弓に戻ってもらった目的は、高志と一緒にさせることだった。 今、文哉と一緒になって、親戚や友人も彼らの関係を知っていたが、公開できなくて、ずっと身分隠しのままでは我慢できなくなった。しかも、真弓は絶対文哉との婚約を解除すると公に発表しないだろう。真弓に誰かと一緒にさせてから、彼女は不倫相手の立場がなくなり、そして、真弓が不倫したと彼女はし返すこともできると思った。もちろん、彼女は消防士を使って真弓を中傷
信子を追い出して、真弓は光臣の助けで、若くて学歴がいい、星野グループに入ったばかりの男性秘書を選んだ。金子和也と言って、派閥争いに介入してなかった。火曜日、計画では、瑠璃子が次期デザイン案を報告する予定だった。広々とした会議室で、瑠璃子が自分のデザイン案を説明していた。真弓に見つめられて、彼女はますます自信を失っていた。正直に言うと、一週間をもらっても、彼女はいいアイデアを思い出さ座、元の設計図を基に、細かいところを他人の真似をして修正し、目立つところは一つもなかった。「それで、瑠璃子監督、これで通せると思ったのか?」真弓がお茶を一口飲んで彼女に尋ねた。 「会長、私個人の考えですが、トレンドに従う必要はありますが、我がブランドの個性をなくす必要はないと思います。我がブランドの特性を生かしてはいけないでしょうか?」瑠璃子がとっくに口実を考えていた。「個性?特性?星野グループのLOGO以外、どこに特性があるの?今の星野グループの製品を見ると、ただ流行ったブランドからの繋ぎ合わせじゃないか」可笑しいことに、今度の宿題、繋ぎ合わせも合格できなかった。揶揄われて瑠璃子が気まずくなった。瑠璃子の部門の副総監、チーフなど、皆が瑠璃子の肩を持っていた。チーフの高橋典子が言い出した。「当部門のデザイナーの能力はご覧のままで、とても会長の高いご要望に満足できません!会長が不満なら、自ら私たちのデザインを指導してくれませんか?」分野が違うと、隔たり多い。見ることができても、やれるとは言えないだろう。真弓が本当に設計部に指導で来るとは思わなかった。「いいよ」真弓が躊躇せず同意した。典子の顔色がすぐ変わった。瑠璃子も驚いて真弓を見た。 「設計部の要望に従い、今日から私が直接兼任する」真弓は命令を下した。振り返って瑠璃子を見て言った。「元の瑠璃子総監は......」瑠璃子の心が震えた。 解雇されたら、絶対に許せないと思った。星野グループを潰しても、彼女が手に入らないものを、真弓にも渡さないと思った。「やっとお父さんが君を昇進させた理由を分かった。設計部に相応しくない。」真弓が瑠璃子に話した。「今日から、星野グループの社長に任命する」瑠璃子は聞き間違えたと思った。 会議室の全員も聞き間違えたと思った。 瑠璃子
一夫は半信半疑だった。しかし、最近のことを考えて、真弓が星野グループの経営に上手く行ってないし、全ての管理層が彼女のことを無視していた。彼女が仕事を進めるのに、結構苦労をしただろう。気が利いて瑠璃子を使って管理層を動かしたいと思ったのだろうか?!真弓はこのぐらいの才能だったのか?「瑠璃子は星野グループに長いから、君より経験が豊富で、会社を上手く経営していくのに、瑠璃子を重役にしたのは得策と思う」一夫が得意げに言った。「お言葉に甘えて」真弓が相槌を打った。心では揶揄った。本当に瑠璃子に重要な仕事をさせたら、それは狼を家に誘い込むようなことだ。「ところで、この前、君に紹介した高志......」 「プライベートの事でご迷惑かけたくありません」真弓は直接電話を切った。再び電話が鳴った。真弓は電話に出なかった。その後、文哉からショートメールが届いた。「先ほど瑠璃子から電話をもらった。彼女を社長に昇進させて有難う。瑠璃子と疑いを晴らして嬉しく思った。君たちは姉妹だから、僕のことで不和になると、僕は悔しく思ってしまうの」真弓は直接ショートメールを削除した。この世に、自分が偉いと思う人がいるよね!......樋口グループ。高層会議が終わり、達也がオフィスに戻った。横山がブラックコーヒーを出して、これからのスケジュールを報告し始めた。報告が終わって、彼は付け加えた。「先ほど、星野グループからの情報では、若奥様が瑠璃子を社長に昇進させたと言われました」達也がキーボード入力する手を止めた。「若奥様が鈴木家の人間に脅かされたかどうか調べましょうか?」「急がないで」達也が目球を動いて、何かを考えながら言った。「ゆっくり待ってみよう」「分かりました」達也は視線をパソコンに戻して、ゆっくりと言った。「来月17日は祖父の誕生日だ」「はい、誕生日への招待状を全部送付済みです」横山が丁寧に答えた。「ボス、何か特別なことがありますか?」「ない」達也は首を振った。 横山がこれ以上聞かなかった。ボスが躊躇していて、やっと勇気が出たように、ショートメールを打ち出した。真弓は眉をひそめた。 文哉からまたショートメールが送られたと思って、振動モードに設定しようとした。「来月17日、空いてる?」真
瑠璃子が時間を見て、まだ午後3時だった。「あと2時間だが」「早めに出てもだめか?」紀子が少し不機嫌だった。「買い物に付き合ってほしいけど」瑠璃子が躊躇した。 以前なら、挨拶なしで会社を出ても、お父さんは何も言ってこなかった。しかし、今、星野グループの責任者は真弓で、ばれたら苛められると心配だった。でも、紀子の機嫌を損ねてはいけなかった。文哉と順調に結婚するために、この義理の妹の機嫌を取らなければいけなかった。少し揉めてから瑠璃子は承諾した。「今どこ?すぐ行く」「光本モールだ」「20分ぐらい着く」電話を切って、瑠璃子が車を運転して目的地に向かった。それと同時に。真弓は会長室で設計中だった。電話が鳴った。一瞥して、設計図を置いて電話に出た。「樋口さん」「いつ呼び方を変えてくれるの?」馴染んだ声で、低くて魅力的だった。「なんで読んだらいいの?樋口達也?達也?それとも他の名前か?」彼女がこんなに優しいとは思わなかった。ぼんやりしてから笑った。「これを聞いて、何でも同じように聞こえたが、ただ......」「ただ何?」「旦那だ」「......」「急がないで、ゆっくりでいい」かまわない様子だった。真弓は唇をすぼめた。 達也は鉄面皮だったよね!達也の言葉を無視して、直接聞いた。「電話して何か御用があるの?」「今暇?」「いや」「和彦に用がある」「樋口さん......」「17日を開けといて、忘れないでね!」「今日は15日じゃないか」真弓は日付を確認して言った。「17日は大切な日だ。正装で出席する必要がある。良ければ僕の代わりに和彦の正装を取ってきてもらいたい。ついでに和彦に試着してもらって。僕はすぐ国際会議に出席しなくてはならない」達也は目的を言って、そして付け加えた。「運転手は既に和彦を迎えて、多分着いたと思う」彼女に拒否するチャンスも与えなかった。既に和彦を送ってくれた。「お願い」話が終わって、彼は電話を切った。真弓は深呼吸をして落ち着きを取り戻した。設計図を保存して、パソコンの電源を切って、バッグを持って会長室を出た。会社を出てすぐ入り口に止まった車を見かけた。和彦の頬が車窓に張り付いて、彼女を見かけて、彼は目が輝いて、すぐ興奮になった。「ママ」
「真弓」紀子も見かけた。彼女の声は少し大きかった。 もちろん、真弓は聞こえた。でも、無視した。「真弓、偉そうにして何をするの?」紀子が近づいてきた。瑠璃子もついて行った。紀子は和彦を見て皮肉を込めて言った。「継母になるのが待ちきれないのか?真弓、女としての面子が丸潰れだ。男の機嫌を取るため、ここまでする必要はあるのか?ここの正装は少なく百万円を超えるが、本当に買うつもりなの?」和彦が眉をひそめた。どうしてまたこの二人の悪徳おばさんに会ったのか?ママと買い物する気分を壊した。真弓が紀子をちらりと見て、静かに携帯電話の再生ボタンをクリックすると、紀子の皮肉な声が伝わって来た。紀子の顔が青ざめた。先ほどの話が彼女に録音されたとは思わなかった。「この声がネットにアップされたら、大スターに影響を与えるかな?」真弓が微笑みながら言った。「ドラマのヒロインを失ったばかりと聞いたが、それは本当なの?」「真弓、君は......」紀子がかっとなった。 「ネットに投稿してほしくなかったら、黙ってくれ」真弓の声が凄い迫力あった。紀子は真弓の前でこんな悔しい経験がなかった。当時、真弓が兄さんと一緒にいた時、彼女の前でいつも控えめで、今のような傲慢な態度がなかった。紀子は怒鳴ろうとした。「紀子、落ち着いて、姉さんは何でもする人ですから」瑠璃子が急いで紀子を引っ張って、ことを収めようとした。「そうだね。18歳の時に不倫するなんて、できないことはないだろう?!」紀子が揶揄った。「紀子、やめて」瑠璃子が説得を続けた。 「こんな人に無駄話をしたくない」紀子が傲慢に言って、向きを変えてそこを離れた。瑠璃子はいい人のキャラをして言った。「姉さん、気にしないでね。紀子は口がうるさいだけです。彼女も姉さんが騙されるのを心配してそう言っただけですが......」「瑠璃子、私が間違っていなければ、今は仕事の時間だよね」真弓が瑠璃子の話を中断して言った。瑠璃子は気まずくなって暫く言葉を失った。嘲笑して真弓はこんなつまらぬ人に時間を無駄にしたくないから、和彦を連れて少し離れた場所に行った。その時、スタッフが和彦の正装を持ってきた。黒い小さなタキシードで、オーダーメイドだから、非常に繊細にできた。達也の見る目は悪くなかったと真弓