-⑩理事長室- パスワード解析装置のおかげで理事長室への侵入は容易であった。勿論、深夜の侵入である。結愛は装置を懐に入れて部屋に入って行った。義弘の理事長室は他の学校と同じくお洒落なお部屋が広がっていた。結愛と海斗は持ち込んだ赤外線スコープを掛け調査を始めた。本棚からデスクなど怪しそうな物が立ち並ぶ。指紋を付ける訳には行かないので手袋を付けての創作となった。中央のテーブルの裏などを隈なく調べていった。 海斗がデスク裏で引き出しを少し動かすと怪しげな赤っぽいボタンを発見した。恐る恐るボタンを押す。赤外線センサーが解除された後に物音がした。「ガコッ・・・!」 すると中央のテーブルが少し引っ込み2つに割れ、下に続く階段がお目見えした。2人はゆっくりと降りていく。しかし数段降りた後海斗が床のトリモチに気付いた。海斗「結愛、逃げるぞ!!」 2つに割れていたテーブルが段々と閉まろうとしていた所をギリギリで脱出した。結愛「取り敢えず、赤外線センサーの解除スイッチを見つけただけでもマシだな、少しずつ調べていくしかないようだな。」 その時、外がバタバタと騒ぎ出した。黒服だ。一斉に校舎内に散らばり理事長室に侵入した人間を探そうとしていた。両手にはピストルを持ち、銃撃する準備は万端だ。理事長室にはその内2人が残っている。 2人は一旦退陣する事にした。黒服が窓の外を見た瞬間に椅子やテーブルの陰に隠れながら理事長室の出口を目指す。思ったより簡単に二人は脱出に成功した。海斗「あいつら、馬鹿だな。」 結愛「どんくせぇ。」 二人は教室に走って行った。 一方、光明は各フロアの出入口のカメラからの映像をやや早送り気味でチェックしていった。でないと何個も何個も出入口があるこの学校の映像を全て見えない、ただ一人では不可能なので守と圭を誘うことにした。長時間見続けなければならなくなるが一瞬も見逃せない。守「でも何で俺達なんだよ、光明。」 光明「すぐ隣にいたから。」 守「某有名アルピニストか・・・、まあいいか。」 光明「座布団没収。」 守「やめんか、ケツが痛くなるだろうが。」 光明の笑えない冗談のお陰で少し場が和んだので守と圭は光明に感謝したその場に結愛と海斗がやって来た。結愛「ちょっといいか?」 守「ん?」 海斗「実は理事長室に隠しスイッチを見つけたんだ、ただ
Last Updated : 2025-01-21 Read more