「どうしてそんな所に隠れていたんだ?」私は肩をすくめて答えた。「だって、君たちいつも私の部屋を勝手にあさるじゃないか!家の中が信用できないから、外に隠れたんだよ!」浩は苦笑いしながらも、深いため息をついた。「まさか美咲が人を殺すなんて......思いもしなかった」私も同調して言った。「裏で操っていたのが美咲なんて、予想外だよ」確かに、美咲は賢い。こんな手にも使ってくるとは。彼女はまず浩の携帯を盗み、それで私と彼の間に疑念を植えつけた。浩が実は光の変装ではないかと思うように仕向けられたんだそれだけじゃない。彼女は私にメッセージを送ってきて、私が警察に通報しないよう引き止めたんだ。その次に、浩が私に薬を飲ませると予言し、心霊現象が現実に起こっていると信じ込ませた。薬に問題があると気付いた時には、私はもう完全に彼女のメッセージを信じていて、すっかり操られていたんだ。実際、私が警察に通報しようとした時、あのメッセージを見て思いとどまった。そして銀行に行こうと決めたのも、あの指示に従った結果だった。そうしたら、最後に、美咲はメッセージを送ったのが自分だと明かし、適当に言い訳をして私を丸め込むつもりだった。それで、私は彼女を信用してしまい、銀行に連れて行くはずだったんだ。お金を手に入れた彼女は、その後私を殺して、金を持って逃げるつもりだったんだ。そして、光の死体を見つけたことは、完全に美咲の計画外だった。もしそのまま警察に通報していたら、彼女が犯人であることは隠しきれなかっただろう。だからこそ、彼女は急いで私にメッセージを送り、まずは私を落ち着かせてから、次の手を打とうとしたんだ。彼女は私に通報させないようにして、逃げ出させることも禁じた。それに、彼女は以前、銀行に行くなと注意していたのに、死体を見つけた後、今度は銀行に行けと言ったんだ。この矛盾した言動は、彼女自身もどうしていいか分からず、計画を無理やりするしかなかったからに違いない。彼女が想定外だったのは、私がカードを忘れたこと、そして何より、浩に事前に全てを打ち明けたことで、彼女の計画は台無しになったんだ。今までの推理を全て浩に話しながら、彼を支えてレンガ工場まで連れて行った。浩は途中ずっと出血が止まらず、顔を赤らめて柱に寄りかかり、荒い息をしてい
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