三井陽翔はすぐにロビーに現れた。彼はまず鈴木老先生と挨拶を交わし、それから安田翔平の前に立った。二人の周りには互いに負けない気迫が漂っていたが、安田翔平は今頼む立場にあるため、やや劣勢に見えた。「三井さん、長い間お会いしたかったです」「安田さん、こちらこそ」二人が握手を交わすとき、安田翔平は三井陽翔から無意識に放たれる敵意をはっきりと感じた。それが彼を少し困惑させた。鈴木老先生は白い唐装をまとい、にこやかな笑顔を浮かべていたが、目尻のしわが重なり、その目には商人特有の鋭さが光っていた。彼は親しげに話し始めた。「三井さん、今回は安田を連れて医療展のことで来たんだが、安田グループが帝都グループから除名されたと聞いた。それに何か誤解があるのでは?」三井陽翔の冷たい目が安田翔平を見据えた。「誤解はない。帝都グループは安田グループを適格ではないと見なしている」「安田グループは出展資金を増額することもできるが、三井さんが助力していただけるかどうか?」安田翔平は今回の展覧会に参加することが安田グループに大きな利益をもたらすと考え、解決するつもりで来た。三井陽翔は依然として動じず、コーヒーをテーブルに戻し、冷ややかな声で言った。「できない」相手が自分の譲歩を無視して、話し合う意思がないことに安田翔平は怒りを募らせた。「三井さん、商売の話だ。こんなに冷淡にされるのはどうかと思うが?」二人は互いに譲らず、緊張が高まっていた。それでも仲裁役の鈴木老先生が再び口を開いた。「今日は私が仲介役だから、若い者同士、私の顔を立てて、両社の社長が話し合うのはどうだろうか?」安田翔平はその言葉を聞いて怒りを収めた。彼は結局、重要な話をしに来ていたので、対立しても問題は解決しなかった。彼は冷静な表情で言った。「三井さん、あなたの条件を教えてください。安田グループが満たせるかどうかを見てみます」「安田さんがもし、御社の研究チームの核心技術を帝都グループと共有できるなら、話し合う余地があるかもしれません」三井陽翔は無関心に言った。彼は安田グループの核心技術をそれほど必要としていたわけではなく、鈴木老先生の顔を立てるために、安田翔平に退けさせるためだった。「絶対に無理だ!」安田翔平は立ち上がり、再び怒りを露わにして、声高に言った。
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