第27章 さっさと離婚しよう

「三井鈴が浜白に行くと言ったのか！」

鈴木老先生はこの知らせを聞いて明らかに興奮し、目が輝いた。「三井鈴がすでに帰国したのなら、以前話し合った結婚の話を進めるべきではないか」

三井陽翔は淡々とした口調で、鈴木老先生ほど積極的ではなかった。「結婚するのは彼らだから、当事者の考え次第です」

三井陽翔の言葉の意味は鈴木老先生には明白だった。

自分の息子がどんな人間か、彼はわかっていた。

年を取ってから授かった息子で、小さい頃から甘やかして育ててしまった。

鈴木グループの社長として大きな問題は起こしていないが、毎日遊び歩き、女遊びやカーレースに明け暮れている。三井家が望む婿の基準にはほど遠い。

三井家には三井鈴という一人娘がいて、家族全員の愛を一身に受けており、大事にされているので、この息子に娘を託すのは心配だ。

三井鈴は性格も良く、見た目も良く、息子の嫁としては最高の候補だった。

どうやら……今回もあの息子を浜白に派遣して、機会を掴むように注意を促さなければならない。親として助けるのは当然だ。

早く帰って鈴木悠生にこのことを話さなければと考え、鈴木老先生は立ち上がり辞去した。三井陽翔は立ち上がって見送った。

再びホールに戻った。

三井鈴が書斎から出てきた。

「お兄さん、私を浜白に先行させるつもり？」

三井陽翔は眉をひそめて冷静に言った。「うん、浜白には詳しいから、戦略の配置は君が一番適任だ。本社に残るか浜白支部に行くかの決定権は君にある」

三井鈴の目には自信が輝き、確信を持って答えた。「お兄さん、私が浜白支部に行きます」

三井陽翔は三井鈴に注意を促した。「浜白で働くなら、帝都グループの利益を最優先にしなければならない。恋愛に影響されて自分の状態を損なうことは許されない」

安田翔平が今回ドバイで苦戦し、浜白に戻った後は帝都の支社に容赦しないだろう。その後、両社の競争は少なくないだろう。

三井鈴が嫌なら彼も妹の決定を尊重した。

三井鈴は三井陽翔が心配していることを理解し、自分の肩にかかる支社の未来を知っていた。

「お兄さん、安心してください。浜白に行くことに同意したのは、私の帝都での発展を考えてのことです。今回、急遽総助になったことで、グループ全体が不満を持っています。まずは支社で基礎を固め、実績を上げてから本社で腕を振るうほうが遅くな