第35章 お金を払ってもらうし、刑務所にも入ってもらう

「翔平、なんでこの不幸を呼ぶ女に頼むんだ！」

小泉由香里は前に出て、安田翔平の腕を引っ張った。彼女は息子が三井鈴に対してこんなに低姿勢で話すのを初めて見た。いつもは彼らが高圧的に要求を突きつけ、この女が黙って従うだけだったのに、どうして今は全てが変わってしまったのか。

彼女は顔をしかめて三井鈴の前に立ち、傲慢に言った。「あなたを中傷するのが何だっていうの？あなたに名誉なんてあるの？以前、安田家であなたを罵ったときも、あなたは何も言わなかったじゃない！」

小泉由香里は叫びながらも、安田翔平の顔色がどんどん黒くなっていくのを見て、初めて自分がこの三年間、三井鈴に対してどんな態度を取っていたかを暴露してしまったことに気づいた。

三井陽翔は我慢の限界に達し、三井鈴を一瞥して言った。「これはあなたが3年間心を込めて仕えてきた義母と義妹か？あなたが心を尽くして捧げた相手がどんな人たちか、よく見てみてください」

さらに妹が貧しい状況に追い込まれたことを思い出し、彼は深く息をついて言った。「選択権はお前にあるが、三井家の顔を潰したら、俺はお前を許さない！」

三井鈴は三井陽翔を安心させるように言った。「お兄ちゃん、心配しないで」

彼女の眉間には冷たい光が宿り、小泉由香里に向かって唇を曲げて笑った。「私の予想が正しければ、次にあなたはこう言うでしょう。『娘が壊したものはもう壊したんだ、賠償すればいいんでしょ？』って」

小泉由香里はその通りだと気づき、すぐに遠慮なく言った。「そうじゃないの？あなたの店がいくらの価値があるっていうの？安田家がその程度のお金を払えないとでも？」

「三十億円も簡単に払えるの？」三井鈴はゆっくりと金額を口にした。

賠償金額を聞いた小泉由香里は驚いて立ち上がれなくなり、顔を真っ青にして言った。「何ですって！あなたの小さなバイヤーショップがそんなに価値があるなんて、誰を騙そうとしているの！」

三井鈴は冷たい目で小泉由香里を見つめ、「信じられないなら、損失評価の明細を持っているわ。その時には納得するでしょう」

「不幸を呼ぶ女、あなたの皮を剥いでやる、何を偉そうに！」小泉由香里の声は急に鋭くなり、三井鈴に向かって手を出そうとしたが、安田翔平に止められた。

安田翔平は眉をひそめ、顔色が黒くなり、厳しく小泉由香里を制止した。「黙れ！」

二人の争い