「主任、お願いです。もう許してください……」 玲奈は顔に哀願の表情を浮かべ、心の中は混乱してどうすればいいのか分からなくなっていた。 「玲奈、女性は美しく生まれたら男性に楽しませるためにあるんだ。その美しさをうまく利用しなさい! 安心しろ。俺に従えば、昇進も昇給も約束する。会社で欲しいものは何でも手に入るぞ!」 隆司はにやりと笑い、玲奈の心の防衛が崩れた瞬間を狙って、彼女を抱きしめ、顔にキスしようとした。 玲奈は抵抗しようとしたが、病床の母と学費が必要な弟のことを思い出し、反抗する勇気も湧いてこなかった。 一瞬にして、彼女の顔には絶望の色が広がり、全てを諦めたような気持ちになった。 ドンドン! その時、突然ドアがノックされる音が響いた。人事部からの入社手続きを手にした真一ドアを開けて入ってきた。 オフィスの光景を目にして、真一は一瞬呆然とし、何が起こっているのか理解できなかった。 玲奈はようやく正気に戻り、顔を真っ赤にして急いで隆司を急いで押しのけた。 もう少しで目的を達成できると思ったのに、まさか真一に邪魔されるとは思ってもみなかった。隆司は激怒し、鋭い目つきで真一を睨みつけた。「お前、誰だ? 誰の許可で入ってきたんだ、今すぐ出て行け!」 「すみません、邪魔をするつもりはなかったんですが……」 真一は気まずそうに笑い、急いで部屋を出て行った。 彼がドアを閉める瞬間、突然、玲奈の目と視線が合った。その目には涙が浮かび、哀願と無力感が込められていた。 玲奈は真一が誰か知らなかったが、彼にその場にいてほしい、できれば自分を助けてほしいと切に願っていた。 しかし、ドアが閉まると同時に、玲奈のわずかな希望も消えてしまった。 実際、彼女は心の中でよく分かっていた。隆司は権力を持つ重要人物で、社長室のトップであり、会社でも屈指の実力者である。 真一が誰であれ、彼女を救うことはできないのだ! たとえ彼が残ったとしても、自分自身が不幸になるだけだろう。 「玲奈、続けようか……」 隆司は得意げに笑い、再び玲奈に襲いかかった。 彼女は、今回は確実に逃れることはできないだろうと覚悟し、絶望的に目を閉じ、頬を涙が伝った…… ギィー! 突然、ドアが開き、真一が再び入ってきた。 玲奈はその
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