第0170話

彼は綿に一度でも体面を与えたことがあるのだろうか？

今更になって、男としての品格や良い夫を演じるつもりか？

そして、この秋年！まったく、似た者同士でろくな奴はいない！

「どけ！」玲奈は秋年を押しのけて、怒りを露わにした。

秋年は驚いて、「玲奈、ネット上のお前のキャラはこんなじゃなかったよね？」

伝説の玲奈スター、美しくて理解があると言われている。

これじゃあ、どこが理解があるんだ？まるで小さな爆弾みたいだ！

「あなたが言ったように、それはネット上のキャラよ」玲奈は容赦なく反論した。

秋年：「……」確かに！

スターはステージ上とステージ下では全然違う。

「玲奈、どこに住んでるの？送って行くよ」秋年は笑顔を浮かべたまま言った。

玲奈は苛立ち、「私には手も足もあるのよ、なんであなたに送られるの？」

「輝明の命令だよ、従わないとね。それに、あなたは輝明の妻の親友なんだから、安全に家まで送らないといけない」秋年は腕を組んで、笑顔を浮かべたままだった。

沈娆は足を止め、さらに反論しようとしたが、

秋年はすでに車のドアを開け、笑みを浮かべて言った。「玲奈、乗ってください」

……

「綿、大人しくしろ！」

ある車の中で、綿は手をあちこちに動かして、特に落ち着きがなかった。

綿は目を開けて、目の前の男を見つめ、その手は彼の胸筋に触れていた。そして一息吸い込み、「あなた、なかなかいい体してるわね。あなた、一晩いくら？」

輝明：「……」

彼の顔は明らかに暗くなった。

綿は口を尖らせ、笑顔を見せてからかうように言った。「どうしたの？話せないの？恥ずかしいの？初めて？」

輝明は冷たい鼻声を出し、問い返した。「どうして、君はベテランか？」

「もちろん」綿は髪をかきあげながら言った。「私が寝た男なんて、万里の長城でも足りないわ」

輝明は彼女を一瞥し、皮肉な笑みを浮かべた。

大言壮語なら綿に任せろ。

彼女は万里の長城を吹き飛ばすくらいの勢いだ。

「ホスト、ちょっと……」綿の言葉が途中で止まった。

輝明は突然ブレーキを踏み込んだ。

車は道路の中央で急停止し、綿はバランスを崩してフロントガラスにぶつかりそうになった。

「なにするの！？なんで急にブレーキ踏むのよ！！」綿は怒鳴った。

輝明は黒い顔をして彼女を睨みつけ、怒鳴り返した。「綿、お