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第 0367 話

「4億4千万!」ルイスはさらに値を上げた。

どうしても、今夜は柏花草を手に入れなければならない。

綿はルイスがさらに値を上げるのを見て、今回は2千万ずつの値上げを続けることにした。

ルイスの忍耐力を消耗させるつもりだった。

なにせ、彼女の予算は8億Mドルしかないのだ!

綿はため息をついた。今日、柏花草を手に入れられなければ、ルイスと交渉しなければならないのか?

ルイスのような男に自ら出向けば、彼はどれほど傲慢になるかわかったものではない。

「4億8千万!」ルイスが再び値を上げた。

綿:「5億!」

ルイス:「5億2千万!」

綿は唇を噛んだ。

「彼、柏花草を何に使うつもりなんだろう?」雅彦が疑問を漏らした。

「外国人が柏花草を使いこなせるのか?」

綿は頭を抱えた。国内の文化が外国人に愛されるのはうれしいことだが、この草薬は本当に必要としている人の手に渡ってほしい。

ルイスは引き下がる気配がなく、綿も仕方なく値を上げ続けた。

その時、ルイスが言った。「オークションの中断を申請します」

「承認します」競売人が応じた。

皆、ほっと息をつき、熱気あふれる雰囲気から一息ついた。

すぐに場内は賑やかになり、皆がこの柏花草が最終的に誰の手に渡るのかを話題にし始めた。

綿は立ち上がった。座りっぱなしで疲れたのだ。

その時、部屋のドアがノックされた。

綿と雅彦は一緒に振り返った。ドアが開かれ、そこに立っていたのはルイスと彼のアシスタントだった。

ルイスは面具をつけるのも面倒だったのか、そのまま綿の前に現れた。

何をしに来たのだろう?

「この女性、少しお話をしませんか?」彼は笑いながら言った。

綿は冷静に彼を見つめた。ルイスは確かにハンサムだった、その点については文句のつけようがない。

「話すことはありません」綿は答えた。

ルイスは首を振った。「NONONO!!」

そう言いながら、彼はスマホを取り出した。

彼のスマホには綿の入国記録が映っていた。「この女性、今日M国に来たばかりだね。そして、どうやら証明書がないみたいだ」

綿は眉をひそめた。

まさか、ルイスが自分を調べるとは思っていなかった。

うかつだった。もっと身元を隠すべきだった。

だが綿は依然として動じることなく、彼に尋ねた。「それがどうしたというの?」

「つまり、
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