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第117話

ドアの外に立っている人物を見た瞬間、里香は固まってしまった。

どうして雅之がここにいるの?

手に握りしめていたバットをさらに強く握り、里香は背を向けてその場を離れた。

ドアを開けるなんてありえない。今、里香はこのクズ男を見るだけでイライラしていた。

キッチンに入った里香は、簡単に麺を茹で、その後、タブレットを取り出してドラマを見始めた。

ドラマに夢中になり、ドアの外にいる人のことなんてすっかり忘れていた。

しかし、約1時間後、再びドアベルが鳴った。

また雅之だと思った里香は、無視して自分の身支度をしながら寝る準備をしていた。

でも、今度のドアベルはしつこく鳴り続けていた。

うるさくてたまらなくなった里香は、顔をしかめながらドアの方へ歩いて行き、勢いよくドアを開けた。「いい加減にしなさい…」

しかし、言葉が続く前に、ドアの前に立っている制服を着た二人の警察官を見て、里香は呆然とした。

「え?あなたたちは?」

警察官は目を合わせた後、道を少し開け、そのうちの一人が地面に座り込んでいる男を指さして尋ねた。「この方はあなたの旦那さんですか?」

訳が分からず、里香は「違います」と答えた。

すると、雅之がむっつりとした顔で、「私たちは夫婦です」と言い、結婚証明書を取り出した。

もう一人の警察官が続けて言った。「どうして旦那さんを家に入れないのですか?夫婦喧嘩は家の中で解決するべきですよ。外に出てくると、見栄えも悪いし、二人とも恥をかくだけです。何かあったら中で話し合ってください」

本当に信じられない。雅之が入れないからって、警察を呼ぶなんて。

一瞬、里香は言葉を失った。

「聞こえましたか?」警察官が反応のない里香に冷たく言った。

里香は驚いて、何度も頷いた。「ええ、分かりました」

警察官は雅之に目を向け、「もう大丈夫です。今後こういうことがあったら、また警察に連絡しても、私たちは関与しませんよ」と言った。

雅之は立ち上がり、その美しい顔には少し赤みが差し、少し酔っているようだった。「分かりました」と、雅之は頷いた。

里香は彼の様子を見て、眉をひそめた。

雅之が近づいてきて、里香にしっかりと視線を向けた。

二人の警察官が立ち去ろうとした時、里香は突然尋ねた。「お巡りさん、もし夫が浮気したら、どうなるんですか?」

二人の警察官は驚い
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