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第7話

まさか、徹之が後を追って出てくるとは思わなかった。ちょうど、貴俊の車が入り口に停まっていた。

彼にあまり絡まれたくなかったので、「彼氏が迎えに来たから、先に帰るわ」と言った。

徹之はすぐに皮肉を言った。

「本当にそんな人と付き合うのか」

「で?お前のように二枚舌で、自分に非があるとは決して思わないような人を見つけること?」

私が振り向かないのを見て、徹之はすぐに前に出て私の手首を握ろうとした。

「直子、聞いて......」

「いででで!」

貴俊は車から降りると、直接徹之の顔を殴り、私を後ろに引き寄せて言った。

「彼女に近づくな!」

貴俊の車に座ると、車内に見覚えのある置物があるのを見て、突然衝撃の声を上げた。

「これ、ネトモにあげたものじゃない?」

「えええーー」

貴俊はたちまち耳を真っ赤に染めた。

「うん、あの人は僕だ、君のユーザー名は『なごり雪』だろう」

その時のことを、全部、思い出した。

高校生の時、一人ではあまりにも寂しかったので、ネットで友達を見つけた。

彼はB市の大金持ちの息子だと言った。それに対し、私はどこかの国のお姫様だと言った。彼が試験で一番になったと言ってきた時、私は全校で一番になったと言った......

元々、会う気もなかったので、全部噓だ。

その後、携帯電話が盗まれ、LINEのパスワードも覚えていなかったため、私たち2人は連絡を取り合うをやめた。

私は信じられないといった様子で彼を見た。

「B市の金持ちの息子って、本当だたんだ......」

彼はうなずいて認めながらも、非難するように言った。

「君は嘘をついたな、君の言った国は存在しない」

私は軽く咳払いをして、恥ずかしくて頭を下げた。

「あなたが言ったことが本当だとは思わなかった」

貴俊は軽く笑い、信号待ちの隙をついて私を見た。

「じゃあ、今は信じる?」

私はうなずき、そして戸惑った。

「どうやって私を見分けたんだか」

「前に写真を送ってくれたから、特徴を覚えているんだ」

彼の真剣な表情を見て、私は突然、厳粛に話した。

「本当にありがとう」

ありがとう、前世でも私を助けてくれて。

午後、貴俊の家のソファでテレビを見ていると、父から電話がかかってきた。

というのは、A市のプロジェクトを手に入れれば、会社は今後私が担当すること
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