第4話

徹之は黙って私を見ていた。

美月は彼の後ろからやってきて、私の後ろにいた貴俊をちらっと見ると、直接口を開いて尋ねた。

「直子、彼のクルーザーに乗ったの？」

「でも、私たちのクルーザーが遭難したとき、近くに他のクルーザーは全然いなかったし、周りは真っ暗だった。どうやって救助されたの？」

彼女がそう言ったのはどういう意味？

「それに、あなたと徹之は結婚の準備をしていたけれど、二人の家族はA市のあるプロジェクトの入札に参加していた。あなたは責任者ではなかったから、当然参加する必要はなかった。でも、徹之は周防家を代表して入札に参加するつもりだった。たまたまこの一番大事な時に、事故が起こってしまった。

「直子、本当にそんな偶然があるの？ それとも、これらの偶然はすべて人為的なものなの？」

はー？私が事故を仕組んだとでも言いたいわけ？

前世で美月に起こったことは本当に同情したが、だからといって彼女に私を中傷させるわけにはいかなかった。

しかも今回は先は彼女を救ったのに。

恩を仇で返すつもり？

まったく！

知っていたら、海の中で死なせてやったのに......

横にいた警察の方を見て、私は直接大声で叫んだ。

「刑事さん、通報します！デマを言うやつがいる！」

その後、私たちは全員警察に連行された。

警察の職質を待つ間、美月は依然として私を見続けた。

私は振り返って彼女を冷ややかに見た。

「アンタ何様？なぜあんたと話さなければならないの？」

彼女は恩を仇で返した!私も彼女にいい顔をする気はない。

美月は言葉を失ったが、傍らにいた徹之が我慢できなくなり、彼女の前に立って話した。

「直子 、どうしてそんなことが言えるんだ。美月はただ事の真相を理解したいだけだ、何しろ彼女はこの事故の被害者なんだから！」

「私も被害者よ！」

徹之は私の言葉に激怒し、私を指差した。

「直子、美月はただ事実を知りたいだけだ。ふざけるな！」

たまたま取調室から出てきた貴俊はこの光景を見て、直接私のところに歩いてきた。

「ここは警察署だ、静かにしろ！」

貴俊の顔は険しく、その口調には拒否できない圧迫感があり、徹之を見据えていた。

貴俊の後ろに立っていた私は、この二人の関係が険悪だと気づいた。

徹之は激怒していたが、それでも美月の前に立って、私を指差して貴俊に尋