第6話

家に帰ると、両親が居間に座って私を待っていた。

私が何か言う前に、彼らは怒涛のように私を責め立てた。

最初に口を開いたのは父だった。

「今日のことは徹之から聞いたが、本当に失望させられた」

「あんな大海だ、いつでもお前を殺せる大海だ、お前は徹之に他の人を助けさせたのか！」

母もすぐ後に言った。

「そんな無鉄砲なあなたに、安心して会社を任せられるわけがない。本当に未熟すぎる！」

だから会社を徹之に任せて、私の生活費まで削ってたのね。

「そんなに大人しくしないなら、早く結婚しなさい！ 気楽に金持ちの奥さんになればいいじゃない」

「徹之とは結婚しない！ この婚約には同意しない！」

私は断固として、二人を直視して言った。

「わざわざ、徹之との婚姻を拒否するために来たの。あんた達が徹之に満足しようが、会社を彼に譲ろうが、それはあんた達のことであって、私には何の関係もない！」

父は怒ってテーブルを叩いた。

「なんてこというんだ！徹之はとても優秀な子だ、彼と結婚したくないなら、他に誰と結婚したいんだ！」

「誰とも結婚しない！」

そう言って、自分の部屋に戻った。彼らの考えは、もう気にしない。

翌日、私は早起きした。

両親はテーブルに座ってしかめっ面をして私を見ていた。私が降りてきたのを見て、母はまだ何か言いたげに口を開こうとしたが、まず父が鼻を鳴らした。

「婚約を破棄したいのだから、お前は......」

「いい加減にして」

ママは突然一喝して、やや青ざめた顔で私を見た。

「婚約を破棄したいのなら、お父さんも私も止めない。でも、ここから先は、あなた自身が行く道よ」

ママはそう言うと立ち上がり、ドアに向かって歩き出した。

「さっさと行って、婚約を破棄しましょう」

彼らは、私が婚約を破棄することに同意したのだろうか？

なんだか、悲しくなった。

わたしたちの婚約は、徹之のおばあちゃんが最初に言い出したことだった。

彼女はある宴会で私を見かけ、とても気に入ってくれて、よく家に遊びに招いてくれた。

時が経つにつれ、お互いをよく知るようになった。

ある時、私たちは徹之に会った。私は恥ずかしくて、心の中にいっぱいの愛情を隠せなかった。

おばあちゃんは、私が何を考えているのか自然に察し、それで婚約がきまっだ。

今、婚約を破棄することを伝え