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私の遺体を解剖した兄は死んで償った
私の遺体を解剖した兄は死んで償った
著者: ねいこ

第1話

兄はいつだって私が死ぬことを願っていた。

「朱理、あんたは本当に冷血女だ!」

「あんなにあんたを大事にしていた綾香を扉の外に閉じ込めて、あんたの代わりに刺されたなんて!」

「どうしてそんな面して生きていられるんだ!」

5年前、兄の婚約者は私のせいで亡くなった。

5年後、焼け焦げた遺体となった私は、兄の解剖台に静かに横たわっている。

兄はついに願いが叶った。

だけど、死んだのが私だと知った瞬間、兄は狂った。

解剖台の上には、真っ黒に焦げた遺体がねじれた姿で横たわっている。

「すみません、桐生さん」

桜井警官は申し訳なさそうに言った。「やっと早く上がって朱理ちゃんと一緒に......」

「その女の名前を最後に聞くのは、これで最後にしてくれ」

兄は桜井警官を睨みつけ、冷たく嫌悪感を浮かべた目で言った。

私は空中を漂いながら、苦い笑みを浮かべた。

そう、綾香姉が悲惨に亡くなったあの日から、兄の目には私は冷血女になってしまったのだ。

兄は私の説明を聞くことを拒み、もう私に会おうとしなかった。

兄妹関係を断ち切った後、彼は家を出て、別の女性を世話することになった。

そう、綾香姉の妹だ。

認めざるを得ないが、その子は私よりずっと兄の妹らしかった。

優秀な医学生で、本が好きで絵を描くのが好きだったし、兄といつも話題が合う。

私とは違って。

私は23歳で、10年間も野菜を売っていた。

兄の話のほとんどは理解できなかったし、不器用で、ただ綾香姉にプレゼントを買うためのお金が足りてるかどうかしか聞けなかった......

「ドン」

兄が遺体に軽く触れただけで、左腕全体がボロッと落ちた。

桜井警官は驚いた。「これは......」

「死者は焼かれる前に生きたまま腕を折られた。皮と筋だけが繋がっていたが、炭化が進んで剥がれ落ちたんだ」

「炭化が酷くて、DNAを採取して身元確認ができないかもしれない」

「法医学の人体構造に詳しい犯人だな」

さすがお兄ちゃんだ。

警察で最も優秀な法医である兄は、わずかな時間で重要な手がかりを見つけ出した。

「しかも、死体はわざと汚くて散らかったゴミ捨て場に捨てられていた!」

つまり、残忍でありながら狡猾な犯人だ。

桜井警官は怒りに任せて解剖台を叩いた。すると、焦げた遺体の残りの三本の手足と頭もすべて落ちた。

さらに胴体もいくつかの部分に割れてしまった。

その後、解剖室には彼の怒り狂った罵声がこだました。

「くそったれめ!バカ野郎!」

しかし、兄は落ちた頭部を拾い上げ、眉をひそめて、「しかも、死者は焼かれる前にまだ息があった可能性が高い」

私は思わず震えた。

霊魂になっても恐怖と痛みを思い出すことができるんだね......

初日、左足を折られた。

2日目は右腕、3日目は左腕、4日目は右足、5日目は脊椎、6日目には顔を引き裂かれた。

毎日、彼女は私に栄養注射を打ち、適度に鎮痛剤を与えた。

そして7日目、首の骨を手術刀で少しずつ削られ、しかし気管だけは意図的に傷つけられなかった......

そして、ガソリンが私の腹に満たされた。

お兄ちゃん、これもわかるのかな?

「あれ?」

頭部を胴体の上に戻した時、兄は突然眉をひそめ、欠けた前歯をじっくりと観察した。

私は慌てて空中を漂い始めた。

12歳の時、兄が夜中に高熱を出した。

私は雨の中、薬を買いに走り、ぬかるみに気づかず転んで前歯を欠けさせてしまった。

お兄ちゃん、気づいたよね?私だってこと。

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