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第 0363 話

「行かない」瀬川秋辞は顔も上げず、余計な一言も発しなかった。

「……もうあなたが頼んだ料理を捨てないから」

「……」

男は数秒間黙った後、さらに言葉を続けた。「夫婦の義務もちゃんと果たす」

その言葉を発しながら、彼はハンドルの上で手のひらを軽く擦った。

瀬川秋辞は一瞬息が詰まりそうになり、彼のあのいやいやながらの態度を見て、まるで彼女と寝ることがどれほど耐え難いことかと言わんばかりだった。「それは本当にありがとうね」

「いや、これが夫として当たり前のことだから」

瀬川秋辞は彼を言い負かす気も失せ、セリフを考える気力も無駄だと感じた。

その後、彼女はずっと根本煜城と設計プランの修正について話し合
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