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第 0357 話

瀬川秋辞という女は本当に彼女の天敵だった!

彼女は全く誠意のない口調で、「ごめんなさい」と言った。

目線さえも瀬川秋辞に向けなかった。

薄野荊州の目が彼女に向けられたが、パーティー会場での冷酷な態度とは打って変わって柔らかいものだった。しかし、小島萌絵は心の中で急に恐怖を感じ、体が思わず冷やりとした。

その感情の揺れが一切感じられない冷淡な目つきは、まるで生きている人間を見ているとは思えなかった。

彼女は自分が薄野荊州の目には、もうどうしようもない存在に映っているのだと感じた。

小島萌絵は、薄野荊州の圧倒的な態度に押され、仕方なくもう一度謝罪した。今度は先ほどよりも誠意が感じられるものだった。
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