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第7話

3日間も。

お母さんは眠らず、地面にひざまずいて私の頭骨を一寸ずつ撫でてた。

一筆ずつ線を描いてた。

10枚目の絵が出来たとき、お母さんの理性が完全に崩れた。

私は横に座って、一枚一枚絵を見てた。

本当に上手に描けてた、私と全く同じだ。

私は周りを見回して、ふと驚いた。そうか、私ってお母さんの筆の中ではこんなに綺麗に見えるんだな。

8歳の頃、お母さんの仕事をよく分かってなかったけど、絵がすごく上手だってことだけは知ってた。

つい、友達に自慢しちゃった。

みんな、お母さんがどれだけすごいか見せてくれって騒ぎ出して、「まさか、ゴッホよりもすごいのか?」って言われた。

私はあごを上げて、迷わず言った。

「もちろん! 私のお母さんは世界一すごい人だよ!」

放課後、家の掃除を全部やった。

そして、そっとお母さんに頼んでみた。「私の絵を描いてくれない?」

その時のお母さんの顔、覚えてる。私を一瞥して、笑いながらこう言った。「私が描くのは大体、悪人か死んだ人だけよ。だから、お前が死んだら描いてあげるわ」

まさか、その言葉が現実になるとはね。

法医学のお姉さんはもう耐えきれなくて、お母さんに言った。「赤崎さん、子供を安らかにさせてあげましょう」

「私たちができることは、できるだけ早く犯人を見つけることだわ!」

お母さんは固まったように頷いた。

「そう、そうよ、犯人を見つけて、花にちゃんと報いを与えなきゃ——」

言い終わった瞬間、お母さんの携帯にLINEの通知音が鳴った。

お母さんは携帯を手に取って画面を見た。

ポップアップに、なんと私からのLINEメッセージが表示されてた。

会話画面を開くと、動画が送られてきてた。

ママはその動画を開いた。

血だらけの私がカメラに映ってた。

爪が全部剥がされて、きれいに並べられてて、顔には縦横に傷が刻まれてた。

胸には血の穴が開いて、血がまだ止まらずに溢れ続けてた。

仮面をつけた男がナイフを持って、私の前でまるでゲームのように、何度も何度も私を刺してた。

彼はカメラを見ながら、憤りを込めて言った。「柚羽、これがあなたの娘だ、どうだ?心痛くないのか?」

すぐに彼はふふっと笑い出した。

「忘れてた、君は彼女のことなんて気にしてないもんね。心が痛むわけないよね、赤崎さん、やっぱり冷たいし無情だ
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