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第4話

実は、同じ質問をずっと前にしたことがあった。

あの時、私はまだ中学3年生で、すごく忙しい一年だった。

お母さんが病気になって、治療費が何万円もかかるって言われた。

彼女の負担を減らすために、いろんな都市で大会に参加して賞金を稼いでいたんだ。

その後は毎日、学校と病院を行ったり来たりして彼女の面倒を見てたから、体力がすっごく落ちちゃった。

お母さんもなんか感動してたみたいで、初めて私に笑顔を見せてくれたんだ。

隣人に会ったときも、何回も私のことを褒めて、「ちゃんとしてる、親孝行だね」って言ってた。

私はお母さんの後ろをついて行って、気をつけながら袖を引っ張ってた。

恥ずかしそうに、でも幸せそうに笑ってた。

その時、初めて「私もお母さんに触れられるんだ」って思った。頑張ったら、お母さんの愛情や優しさを少しは感じられるのかなって。

なんだか、すべてがうまくいってる感じがした。

でも、あの日の午後、玲奈が壊された貯金箱を抱えて私の前に来て、息を切らしながら泣きながら言ったんだ。

「お姉ちゃん、お母さんのことを気にかけてくれてるのはわかるけど」

「私のお小遣い全部あげてもいいけど、なんで私のお金を取って、母さんに『大会で得たお金』って嘘ついたの?」

私は急に顔を上げて、お母さんを見た。

窓の外から日差しが差し込んで、彼女の目尻のしわを照らして、ちょうど優しく私を見てた目に当たった。

お母さんの目が、また少し冷たくなった気がした。

それは、私がすごくよく知ってる冷淡さだった。

「違うよ、お母さん、私は妹のお金取ってないよ......」

私は慌てて、言い訳しようとしたけど、言葉が終わる前に。

「バシッ!」って音が部屋中に響いた。

顔を硬くして、目の中にはまたあの嫌悪感が浮かんでた。

「あなたはやっぱり生まれつきの悪い種だ。どうしてこんなものを私が産んだのか?」

お母さんが出て行った後、私は涙を浮かべながら玲奈を見つめた。

「なんで私のことをそんな風に言うの?」

お母さんが部屋に戻ったのを確認してから、玲奈はやっと本当の気持ちを吐き出してきた。

まだ10歳の玲奈は、かわいらしい笑顔を浮かべながら、吐いた言葉は毒のように鋭かった。

「あんた、愛されてない可哀想な子よ!

お母さんを喜ばせようなんて、そんなの夢のまた夢!

あんたが生まれたせいで、お兄ちゃんが死んで、両親が離婚したんだよ」 彼女は歯を食いしばりながら私を睨んだ。

「和花、あんたみたいに家族に不幸を呼ぶだけの人、存在しない方がよかったのに!」

その晩、私は痛みと途方に暮れた気持ちに飲み込まれそうで、コンパスで腕に穴を開けてしまった。

でも、痛みも心の中で暴れる絶望や不安を少しも和らげてくれなかった。

結局、私はお母さんの部屋に入って、聞いたんだ。

「お母さん、私を愛してないなら、なんで私を生んだの?」

彼女は目を閉じたまま、一言も発さなかった。

でも、私は知ってた。彼女は寝ていないって。

私が生きていた頃、彼女は私に答える気もなかった。

今となっては、死んだ私の声なんて届かないし、もちろん返事もない。

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