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第5話

一週間後、警察からやっと私のDNA検査結果が届いた。

電話が、お母さんのところにかかってきた時、

彼女は玲奈に朝ご飯を作っているところだった。

私は無感情にその場に立って、彼女が朝ご飯を一つ一つ丁寧に盛り付けるのを見ていた。

玲奈は、そういう「儀式感」をすごく大切にしてるから。

「赤崎さん、死亡者のDNA検査結果が出ました。成人女性で、今年20歳になったばかりです。

生前、非常に残忍な暴行を受けていて、全身に30ヶ所以上の骨折、20ヶ所以上の切り傷がありました。

しかも、これらの傷はすべて生前に受けたものです」

お母さんは動きを止めて、牛乳を注ぐ手が明らかに固まっていた。

彼女は無意識に「そうなんだ......その犯人、ほんとに残酷だね」って言った。

「ほんとですよね。今すぐにでも犯人を捕まえて、被害者に対してちゃんとした報いを与えてほしいですよ」

「わかった、あとで署に行って似顔絵描いてくるね」

お母さんはうなずいて、温めたミルクを玲奈の専用カップに注いだ。

それに、玲奈が大好きなキャラクターのスプーンも忘れずに置いておいた。

それが終わった後、お母さんは玲奈の部屋に向かって、起きるように声をかけに行った。

「はい、赤崎さん、それじゃあ署で待ってます」

相手が電話を切ろうとしたその瞬間、お母さんが突然何かを思い出したみたいで、「ちょっと待って!」って急に言った。

「どうしたんですか?赤崎さん」

お母さんは少し迷った後、試しに聞いてみた。

「亡くなった人の名前って、なんて言うの?」

目に見えて、お母さんが急に緊張したみたいだった。

目の中に、心配と焦りが滲んでいた。

私は横でただ見てるだけだった。

でも、少し気になってた。真実を知ったら、お母さんはどんな顔をするんだろうって。

驚くかな?

後悔して、泣きながら私に謝るのかな?

それとも、私の死を知った後で、玲奈への愛を少しだけでも私にも分けてくれるかな?

そんなことを考えてるうちに、向こうが口を開いた。

「えっと、亡くなった人の姓は赤崎......

赤崎和花って言います」

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