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第6話

お母さんが玲奈を連れて警察署に着いた時、私はもう棺桶の中だった。

お母さんが何度も頼んだおかげで、警察署は仕方なく棺を開けて見せてくれた。

私の腐った遺体を見た瞬間、お母さんが急に目を赤くした。

唇を震わせながら、「報告書は?報告書をくれ!」って言った。

「赤崎さん、お気を確かに......」

近くの鑑定医が報告書をお母さんに渡した。

お母さんはそれを手に取り目を通すと、報告書に書かれている被害者の直系親族の名前を見た瞬間、驚いて。

赤崎和花って名前が書いてあった。

お母さんはまるで熱いものに触ったみたいに、急いで報告書を投げ捨てた。

私はちょっと驚いた。いつもは玲奈に何かあっても、お母さんがあんなに焦って慌てることなんてないのに。

でも、今回は私のためにこんなに慌ててるの?

お母さんは周りの仲間を見て、ぶつぶつ言ってた。「あり得ない。これが和花なわけがない、

間違いだよ、絶対間違いだ!

和花はいつもやんちゃで分かってないから、妹の成人式を台無しにするためにわざと行方不明になったんだ。絶対そうだよ!

ちょっと待ってて、今すぐ似顔絵を描いて、絶対に和花じゃないって証明してやるから!」

お母さんの強いお願いで、鑑定医のお姉さんは仕方なく紙とペンを持ってきてくれた。

その時、玲奈がゆっくり歩いて入ってきた。

玲奈は私を見た瞬間、思わず叫んで口を押さえながら後ろに下がった。

「腐ってる!もう腐ってるよ!お母さん、怖い、うぇ——」

壁に寄りかかって、ほとんど気を失いそうになって吐いていた。

お母さんの顔色が急に冷たくなって、珍しく怒って言った。「玲奈、出て行け!私の仕事の邪魔をするな!」

私は驚いて頭を上げた。お母さんの目には涙が滲んでて、悲しそうだった。

記憶の中で、お母さんはとても強い人で、あまり泣くことなんてなかった。

玲奈が病気の時だけ、悲しそうに涙を流していた。

でも今、お母さんは玲奈に怒鳴った?

しかも、私のことが原因で泣いてる?

お母さん、今やっと私にも少しは愛を分けてくれてるのかな?

私は横に立って、泣いたり笑ったり、笑ったり泣いたりしてた。

残念だけど、私はもう死んでるんだよ、お母さん。

......

玲奈が外に連れて行かれた後、解剖室は静かになった。

お母さんの手がずっと震えてた。

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