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第3話

玲奈はプレゼントを部屋に運んだ後、嬉しそうにお母さんに頼みごとをした。

「お母さん、卒業旅行一緒に行ってくれる?」

彼女は携帯で計画表を出した。行きたい都市がびっしり書かれている。

玲奈は興奮しながら、いろんな場所を紹介していた。

でも、お母さんはちょっとぼーっとしていて、携帯をしっかり見つめて、眉をひそめていた。

玲奈が呼んでも反応はない。

何回か呼んだ後、玲奈の目が赤くなって、少し声に詰まった。

「ごめんね、ママ。私、わがままだった。

お姉ちゃん、まだ怒ってるし、今は私が旅行に行くなんて言っちゃダメだよね」

お母さんは我に返って、愛しい小さな娘が泣いてるのを見て、とても心が痛んだ。

慌てて抱きしめて、優しくなだめる。「これはあなたのせいじゃないよ、和花が甘すぎたから。

でも、さっき連絡があってね——」

ママは少し迷いながら言った。「局から、10キロ先のゴミ処理場で女性の遺体が見つかって、最初の判断では誘拐されて虐待されたって。

その人、もしかしてお姉ちゃんじゃないかって……」

玲奈はママの手を握りながら、少し疑問を抱えて言った。「お姉ちゃんに電話してみたら?」

言い終わると同時に、お母さんはすでに私に電話をかけていた。

数秒後、すぐに切られた。

ママはまるで喉を締め付けられたように、怒りで目を見開いた。「やっぱり前に言ってた誘拐の話、嘘だったんだ!」

玲奈の目に少し笑みが浮かんだけど、口では「お母さん、怒らないで。お姉ちゃん、まだ怒ってるだけかもしれないよ」って慰めた。

「気にしないで!もしお姉ちゃんが外で死んだとしても、私たちには関係ないこと」

私は顔を背けて、お母さんの表情をじっと見つめた。

その中に、少しでも関心を見つけようとしたけど、何もなかった。

私が急に連絡を絶ったことで、彼女が感じたのはただの苛立ちと嫌悪感だった。

私は、妹の成人式を台無しにするために手段を選ばず、嘘をつき続ける人間だと思われていた。

私は一つの魂だったのに、涙が流れることすらあった。

涙を流しながら、私は笑って聞いた。「お母さん、本当に、本当に、私を一度でも愛してたことはあったの?

どうしてこんなに私を憎んでるのに、私を産んだの?」

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