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第10話

彼女はまるで初恋に燃え、愛に勇敢な少女のようだった。

僕と一緒に刺激的なことにも挑戦し、ためらいもなく露骨な愛の言葉を口にした。

だが、瑞穂は違った。

彼女はただ顔を赤らめ、僕の行動に身を任せるだけで、何の楽しみもなかった。

ある時、遥が熱くなりながら僕にこう聞いた。

「瑞穂さんにバレたら、彼女は朝藤さんと別れるじゃないかな」

僕は何も考えずに言い放った。

「そんなことはない。彼女には僕しかいないんだから」

その瞬間、僕は自分がずっとそう思っていたことに気づいた。

彼女は僕に対して常に従順で、寛大で、溢れるほどの愛情を注いでくれた。

それに慣れてしまい、僕は無意識のうちに、どんなことをしても彼女は僕を許してくれると信じ込んでいた。

彼女は僕を離れられない。

――僕以外に、彼女を欲しがる者などいないから。

4、

僕は次第に遥を甘やかすようになった。

彼女との関係には、激しくて隠しきれない感情があり、それが刺激的で興奮させられた。

だが、まさか瑞穂がその関係に気づくとは思ってもみなかった。

彼女は僕に離婚を申し出た。

彼女の決意に満ちた瞳を見て、僕はただ焦るばかりだった。

彼女を失った後の生活など、想像もつかない。

それはどんな感じだろうか。

まるで誰かにナイフで心臓を突き刺されたような、耐え難い痛みだった。

その瞬間、僕はようやく幻想から目覚めた。

そして、気づいたんだ。

僕はずっと彼女を愛していたんだと。

彼女はすでに僕の人生に深く染み込んでいて、切り離せる存在ではなかった。

だが、すべては手遅れだった。

僕は何度も瑞穂を引き留めようとしたが、彼女は二度と振り返ることはなかった。

僕の思い上がりが、すべてを壊してしまったんだ。

そして、僕は自分自身を過大評価していたんだ。

約束なんて誰にでもできるものだ。

だが、彼女を一生支えるなんて、僕にとって難しいことだった。

感情の不安定な障害者を毎日毎日相手にし、リハビリを手伝い、喜ばせること。

彼女に特注の補聴器を作ること。

それは、本当に本当に大変なことだった。

それに加えて、周囲の人たちは、彼女は僕に釣り合わないと言い続けた。

その結果、僕の中の罪悪感と愛情は、いつしかすっかり消え去ってしまった。

僕はこの生活に嫌気が差し、ついには瑞穂にも嫌悪感
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