第31話

紗希は申し込みから帰ってきた後、真剣にコンテストのデザイン図の準備を始めた。

夜、6人の兄と義姉は一緒に食事をしに来て、彼女が国際パイオニアデザイン大賞に参加することについて話した。

平野は目を輝かせて言った。「紗希、一番が好きかい？」

紗希は戸惑った。「一番が好きじゃない人なんていないでしょう？」

でも、コンテストのことは誰にも分からないし、できる限りのことをするしかない。

平野が言い終える前、妻に足を踏まれ、義姉の静香が説明した。「紗希、平野が言いたいのは、あなたはとても優秀だから、きっと一番を取れるよってこと」

平野は一生懸命頷き、妹を絶対に一位にさせ、たとえ一位がなくても、一番を作り出すつもりだった！

原則なんて、妹に比べれば大したことはない。

紗希もあまり深く考えず、部屋に戻ってコンテストのデザイン図を一生懸命描き始めた。何年ぶりかで、やっとまたこのコンテストに参加できるのだ。

3年前、伯父が突然事故に遭って救命のお金が必要になり、結婚を選ぶしかなかった。

今回、彼女はやり直そうとしていた。

彼女自身のため、そしてお腹の赤ちゃんのためにも。

......

1週間後、紗希は国際パイオニアデザイン大賞の決勝進出の通知を受け取った。

友人の美咲はすぐにメッセージを送ってきた。「紗希、やっぱりできると思ったわ。決勝進出おめでとう！これで運が開けたわね。やっぱりあのクソ男から離れたら、運が向いてきたのよ。

紗希は返信した。「最近は運がいいみたいね」

すぐに、友人の美咲がインスタグラムに投稿したのを見た。「最新ニュース：私達のアイドル―亜紗が正式に復帰を宣言し、順調に決勝進出したので、優勝も間近だね」

彼女は深呼吸をして、なんとか一番を獲得できることを願った。彼女にはその賞金が必要だから。

すぐに、義姉の静香は情報を受け取り、平野に言った。「あなた、あの天才デザイナー亜紗もこのコンテストに参加したみたいよ。紗希は少し厳しいかもしれないわ」

平野は簡単なことだと言った。「じゃあ、二つの一番を設ければいい」

とにかく、妹は絶対に一位にならなければならない！

一方、渡辺グループの本社。

裕太はドアをノックして事務所に入った。「社長、今回の国際パイオニアデザイン大賞の決勝リストが出ましたよ」

拓海は顔を上げ、さりげなく聞いた。「誰