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第39話

紗希が答える前に、静香が彼女に代わって答えた。

「イブニングドレスを着るのは、もちろん授賞式のパーティーに出席するためよ」

授賞式のパーティー?

拓海は最終選考の名簿を思い出し、確かに紗希が最終選考に残っていた。彼はこの女性に本当にそんな能力があるとは思わなかった。

最初、祖母が紗希のためにこの枠を取ろうとした時、彼は紗希が最終選考まで進めるとは全く信じていなかった。

男は目が彼女に注がれ、低い声で言った。

「おめでとう」

紗希はその場に立ったまま、表情は淡々としていた。

「ありがとう」

拓海は話題を変えた。

「しかし、このドレスは君には似合わない」

「どうして?私は結構いいと思うけど」

「背中の露出が多すぎる」

紗希「...」

このドレスはもともと透かし彫りデザインで、背中は露出するようになっていた。

静香は一目見て、続けて言った。

「そうね、ちょっと露出が多い。他のを見てみましょう」

あのシスコンな男たちがそれを見たら、おそらく紗希にこのドレスを着て、もっと控えめなドレスを着てほしいとは思わないだろう。

紗希はさらにいくつかのドレスを渡され、順番に試着して出てき、毎回、あの男性の注視する目を感じた。

彼女は少し落ち着かない様子で、まるで拓海のために試着しているかのようだった。

最後に選ぶ時に困ってしまい、静香が口を開いた。

「紗希、どれが好き?」

「実は、どれでもいいわ」

紗希は少し上の空で、主に、あの男性の視線が常に自分に向けられていたからだった。彼女は試着に2時間も経っているのに、拓海はまだ帰っていなかった!

拓海は手を伸ばしてシャンパンゴールドのイブニングドレスを指していた。

「これがいい」

ワンショルダーで、背中も露出せず、高いスリットで太ももも見せない。

とても控えめで、沙希に適していた。

紗希は何故か拓海が選んだドレスを選びたくなかった。彼女は手を伸ばして最初の背中が開いたドレスを取った。「私はこれがいいと思う」

拓海は眉をひそめ、目に不快感が浮かべた。

妊婦である静香は少し疲れた。

「紗希、あなたが好きなのならそれでいいわ。じゃあ、会計にしましょう」

玲奈が真っ先に近寄ってきて、わざと言った。「このドレスは今年の最新作で、限定品だから、抱き合わせにしてから販売できるの。抱き合わせ販売っ
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