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第8話

葉山想の手術は5時間後にようやく終わった。

私たち3人は外で待ち続け、行ったり来たりしていた。

母と私は暗黙の了解で、この状況下で離婚の話をすることは避けた。私は会計で40万円の保証金も払った。

手術室の灯りが消え、葉山想が運び出されてきた。まだ意識不明だった。

「先生、息子はどうですか?」

「今のところ生命の危険はありませんが、48時間以内に目覚めないと植物状態になる可能性があります。これは完全に患者の意識次第です。彼が目覚めたいと思うかどうかにかかっています」医師はため息をついた。

意識。

目覚めたいと思うかどうか?

私は葉山想を見つめた。

葉山想、あなた、目覚めないつもりなの?わざと離婚を引き延ばそうとしてるの......?

そんなの許さないわ。

この結婚は、絶対に終わらせなければ。

葉山想は集中治療室に運ばれた。専門の看護師がいるため、家族の付き添いは許可されなかった。

そのとき、葉山恵介が近づいてきて、疲れた表情で言った。「澄香、離婚するんだよね。明日にしよう」

「うん......でも想くんが目覚めるまで待ってもいいわ。彼はまだ危険な状態だし」

「いや、明日でいいんだ」

翌日、母と義父はスムーズに離婚した。私たち3人で一緒に食事もした。

この食事は、事故以来珍しく和やかなものだった。葉山恵介は終始謝罪を繰り返していた。

3日目の夜は、葉山想が目覚める最後のチャンスだった。

私たちは皆、緊張しながら興奮して待っていた。

私は葉山想と離婚したかった。

でも、それ以上に彼の無事を願っていた。彼の罪は許されないが、私もそこまで冷酷ではない。彼の幸せを願っていた。

特に今回の事故は私を救おうとしたことが原因だったから。

「栞......」

葉山想が目を覚ました。

その瞬間、私は感動で涙が出そうになり、声も震えていた。

「ここにいるわ。目が覚めたのね」

「ああ、目覚めた。目覚めなかったら、君は俺を窒息させて、警察に死亡届を出して離婚しようとしたんじゃないか」

私は彼を睨みつけた。「そんなに冷酷だと思う?」

「冷酷じゃない。賢いんだ」葉山想は弱々しく笑いながら私を見た。「栞は本当に美しい。でも俺はそれを大切にできなかった。申し訳ない。聞きたいんだ、離婚後も友達でいられるかな?」

「ええ、友達よ」

私と葉山想の
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