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第6話

葉山想と出会った頃、私はまだ小さなウェイトレスだった。

彼は私たちのレストランの常連客だった。

毎日来て、いつも同じ席に座っていた。私は彼のことを知るようになり、ある雨の日に彼が私を家まで送ってくれたことがきっかけで、私たちの物語が始まった。

とてもロマンチックで甘い恋だった。でも結末は悲惨だった。

私たちの間に第三者はいなかったし、彼に忘れられない初恋もなかった。ただ、花村喜美という女性を彼がより重要だと感じただけ。

自分の子供の生死さえも気にかけないほど重要だと。

私には受け入れられない。

私は彼らに立ち上がるよう言ったが、彼らは聞かず、ただ謝り続けた。母は私の手を引いて露店を片付け、家に帰って寝ることにした。

離婚は避けられない。

「葉山想、私たちの子供はもういないの。お互い気持ちよく別れられないかしら?」

「いや、だめだ」

葉山想は感情を抑えきれず叫んだ。「栞、君は子供が好きだろう?もう一度子供を作ろう。俺はまだ若いし、できるよ。今夜にでも」

彼の言葉に吐き気を覚えた。

「必要ないわ。確かに子供は好きよ。でもあなたとは二度と子供を作りたくない。離婚したら、もっと私を愛してくれる人を見つけるかもしれない。見つからなくても、養子を迎えるわ。あなたと一緒にいるのは、疲れるだけ。

実は最近考えていたの。もし私の子供が生まれていたら、幸せだっただろうか。パパは子供のことを気にかけてくれただろうか。きっと、全ては運命だったのね」

葉山想は私がこんな言葉を口にするとは思っていなかったようだ。

彼の目はさらに赤くなった。

母は黙って露店を片付け、私の手を引いて立ち去ろうとした。

葉山恵介がついてこようとすると、

母は言った。「ついて来ないで。吐き気がする」

「そうそう、一つ言い忘れてた。花村喜美のことをよく見てあげて。驚くことがあるわよ」

母はただ何気なく言っただけだった。あの大雨の日のことを調べてもらいたかっただけなのに、葉山家の父子は思いがけず真剣に受け止めた。

彼らは花村喜美に注目し始め、彼女の海外での数年間の動向を調査し始めた。

案の定!

大きな驚きがあった。

花村喜美は海外で複数の恋人がいて、何度も中絶をしていた。他人の愛人になったこともあり、正妻に殴られてズボンも残らないほどだった。

さらに、夫婦共有の財産を着
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