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第7話

翌日。

母と私は早くから支度を整え、出かける準備をした。

今日が過ぎれば、私たちは自由の身。自分たちの夢を追いかけられる。

しかし、横断歩道を渡ろうとした瞬間、一台の車が猛スピードで私たちに向かって突っ込んできた!

花村喜美だった!

彼女は狂ったように叫んでいた。

「死ね!死んでしまえ!あなたたちさえいなければ、私はこんなことにならなかった。全部あなたたちのせいよ!」

母と私はその場に凍りついて、どう反応すればいいのか分からなかった。死神が一瞬にして私たちに迫っていた。

気づいた時には、車は私たちから50センチも離れていなかった。

終わりだ......

これが私の最後の思考だった。

そのとき、葉山想が運転する車が飛び出してきて、二台の車が衝突した。激しい音とともに、車体が変形した!

葉山想だ!

私は恐怖に駆られて駆け寄り、葉山想が奇妙な姿勢で運転席に押しつぶされているのを見た。額には血が滲んでいた。

一方、花村喜美はまだ意識があったが、突然の衝撃に呆然としていた。顔は真っ青で、しばらく口を開けたり閉じたりしてから、やっと言葉を発した。

それは私に向けられた言葉で、目つきは憎悪に満ちていた。「死んだのがあなたたち母娘でなくて残念!」

「花村、あなたは報いを受けることになるわ」

母は救急車を呼び、警察にも通報した。

救急車が二人を病院に搬送し、警察もすぐに後を追った。

葉山想は重傷で、すぐに救急手術室に運ばれた。花村喜美は軽い外傷だけで、処置室で傷の手当てを受けていた。

義父は手術室の上で絶え間なく光り続ける「手術中」の文字を見つめながら、廊下を行ったり来たりしていた。そして我慢できずに花村喜美のもとへ駆け寄り、彼女の鼻をつかんだ。

目は真っ赤で、まるで爆発寸前の野獣のようだった!

「なぜだ、なぜお前はこんなに悪辣なんだ。俺の家庭を壊して何の得があるんだ?何があるんだ?」

葉山恵介の力が強すぎて、花村喜美の顔が徐々に真っ赤になっていった。

彼女がほとんど息ができなくなった時、やっと手を放した。

花村喜美は息を整えると、笑い出した。

「葉山恵介、あなたが悪いのよ!あなたが悪いんだわ!昔、あなたが私を追いかけていた時、何て言ったの?一生私一人しか愛さないって。じゃあ、あなたの愛はどこにあるの?二人の女性と結婚したじゃない。
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