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第4話

そう言いながら、私は笑い出した。

笑っているうちに、涙が溢れ出した。

最初は小さな嗚咽から始まり、やがて号泣へと変わっていった。

子供......

私の子供......

出産間近だったのに......

そしてこの全ては、彼の父親のせいなのだ!

私たちを顧みもせず、他の女性のもとへ行った父親のせいで!

そして、他の女性の犬を助けに行った祖父のせいで!

葉山想は呆然と私を見つめ、その場に硬直していた。

しばらくして我に返ると、怒りで目を真っ赤にした。

「栞、お前は正気を失ったんだ!親が子を食うようなことはしないのに、お前は自分の子供を殺したのか。俺に腹を立てただけで?俺は忙しいって言っただろう。なぜ分かってくれないんだ!

お前は暴走して、家に帰らず、子供を殺した!夜中に目覚めた時、悪夢を見るんじゃないのか?血まみれの子供が現れて『ママ、なぜ僕を殺したの?』って聞いてくるような」

彼の感情は制御を失い始めていた。

涙さえ流していた。

彼も私たちの子供のことを気にかけていたのかもしれない。でも結局のところ、花村喜美と彼女の犬ほど大切ではなかったのだ。そうでなければ、あの時花村喜美と犬を選ぶことはなかったはずだ。

義父も怒りに任せて私を非難した。

「お前は俺の孫を殺したんだ!たかがそんな些細なことで」

「そう、たかがそんな些細なことで、あなたの孫を殺したわ!あなたたち葉山家の唯一の子孫よ。それがどうしたの!離婚しましょう」

葉山想の感情の爆発はますます激しくなっていった。

「離婚だ離婚だって、何かあるたびに離婚って言うのはやめろ!俺たちの関係は簡単に得たもんじゃない。ただ一生懸命仕事してるだけで、離婚したいのか?それでいいと思うのか!夏見さん、こんなのおかしいだろ!」

母は普段穏やかだが、この時ばかりは我慢できなかった。

爆発した。

「ここは病院よ。頭がおかしいなら脳外科、精神に問題があるなら神経科を受診なさい。3日前の大雨で地下鉄が冠水した時、私は手術を終えて退院したばかりで、栞は臨月だった。救助隊が来た時、みんな自分のことで精一杯で、私たちを先に行かせようとはしなかった。

あの日、栞は大きなお腹を抱えたまま私を背負って歩いたの。助け出された時、私は高熱で意識不明で、栞もすぐに手術室に運ばれた。そして赤ちゃんは......

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