「ね、とわこ、教えて、奏が好きな女がいるって誰から聞いたの。どんなタイプの女だ?」直美は不安そうに聞いてきた。奏の周りに他の女なんていないと、彼女はまだ確信しているのだが。「直美、さっきの話、私の感なんだ…奏の事、直美ほど分からないから」頭を横に振りながらとわこは言った。少し落ち着いてからとわこは口調を変えた。奏の事、簡単ではなかった。そして彼女は深く巻き込まれたくもなかったのだ。ちゃんと生きてて、子供を順調に産むのは何よりだ。「びっくりした。奏がほかの女と一緒にいるのを見たと思った」とわこからの説明をきいて、少し気楽になった。「奏はとわこが思うような男ではない。彼は女嫌いし、子供も嫌いんだ」「どうして奏は子供が嫌いの?」とわこは何げなく聞いた。「実は私もわからないのだ。でも、知りたくもないのさ。奏が嫌いなら、私は産まなくていいのだ。私の事大切に思ってくれたし」眉をひそめて、独り言のように直美が言った。「直美がいいというならそれでいい」とわこは彼女の考えを正すのをやめた。それなりの責任を取るのであれば、誰にでも選択の権利があるのだ。直美のやり方はとても不思議だったと思うが、常盤の子供を産むのも、馬鹿げたことに思われているかもしれない。料理が出された。お腹すいたので、とわこは箸を取り、さっさと食べ始めた。直美は心配こと重なって、食欲なくなった。「とわこ、奏のことが好きになってないよね?」「それはない」とわこははっきり答えた。「しかし、奏はそんなにすごいし、格好いいし、どうして好きにならないの?」直美は理解できなかった。「直美と奏のどっちかを選択するなら、私は直美を取るわ」彼女を見つめながらとわこは言った。これなら少なくとも殴られることはないだろう。彼女はびっくりした。「とわこ、君は…」「ただの例えだ。分かってくれよ」手を振りながらとわこは補足した。直美はすっかりと安心した。とわこのこともよい方に思ってきた。お父さんと死別して、三千院グループが破産まじかで、三千院家をとわお一人が支えているのを考えると、直美は何とか哀れな気持ちになった。「とわこ、大学まだ卒業してないのか?」「来年だ」水を飲んでからとわこは言った。「お父さんのことを聞いたわ。お父さんも死んだし、会社の借金は君と
車が素早くそばから通って前へ進んで行った。冷たい風と共に消えた。頭を上げて、幻の夜景色を眺めると、ロールス・ロイスが尾灯を閃いた。奏の車だろうか?手で涙を拭いて、さっさと気持ちを見直し、常盤邸へ向かった。邸の前に、車が止まっていた。とわこは門の前で止まって、奏が入っていくのを待っていた。目がとても渋かった。頭を上げて夜空を眺めると、星達が眩しく輝いて、とても美しかった。きれい!明日は晴れるだろう。そのまま立って、あっという間に、1時間も立った。車はなくなった。車庫に入っただろう。客間にライトがついている。広くて静かだった。落ち着いたとわこはゆっくり客間に向かった。二階のベランダに、奏が灰色のガウンを着て、車いすに座りながら、ゴブレットを手にしていた。ゴブレットに赤い液体が底をついていた。外で1時間ぐらい立っていた彼女を、奏がベランダでずっと見ていた。何を考えていたのか?じっと立ったままで、近くの木のように見えた。幼いごろから頭のいい人をいっぱい見てきた。頭のいい人だけが彼の近くに残されるのだ。ただし、とわこは例外だった。分かったくせに、何度もわざと彼を怒らせたのだ。賢いとは言えない。本物の馬鹿女だ。しかし、悲しい彼女を見ると、知らないうちに影響されてしまうのだ。受け身的に影響されたのだ。生まれて初めて体に覚えた感覚だ。……部屋に戻って、とわこの頭が重くなった。冷たい風に当てられただろう。タンスの中から厚めの布団を取り出した。布団の中に入り込み、こんこんと寝てしまった。一晩寝汗を流して、夜風の寒気をやっと追い出した。目覚めた彼女の体がねばねばだったが、気分はよくなった。シャワーを浴びて、服を着替えて、部屋から出た。いい匂いに従ってダイニングに辿り着いた。三浦婆やはすでに朝食を用意できた。「彼は食べたの?」とわこは聞いた。「まだです。若旦那様がまだ降りてきておりません」それを聞いて、とわこは慌ててミルクを飲み、お皿からのトースト等を大口で食べ始めた。5分も足らずに朝食を終えた。「若奥様、そんなに若旦那様のことが怖がっていますか?」三浦婆やが微笑んで彼女をからかった。「そうでもないよ…見たくないだけだ。見ると落ち着かなくなるの
「座って」彼女を一瞥してから奏が言った。「うん」彼女は向かい側のソファーに腰かけた。テーブルにパソコン1台置いてあった。スクリーンは彼女に向いてた。中には監視画面があった。よく見るとやっと分かった。彼の寝室の画面だった。監視カメラがベッドを向いていた。ベッドの上にいる彼と彼女が映られていた。画面をはっきり意識してから、とわこの頭に一瞬で血が昇ってきた。ぱっと立って画面を指さしながら、とわこが怒鳴り始めた。「奏、この変態野郎!寝室に監視カメラを設置するなんて!」むかついてたまらなかった。元々3か月の共同生活を忘れようとしたのに。この3か月、彼は植物人間だったので、男としてみてなかった。外でどんなに華やかであっても、プライベートでは、外に見せたくないものが誰にだってあるだろう。3か月間監視されたことをとわこはどうしても受けられなかったのだ。当時、彼の部屋に監視カメラがあることを誰からも聞いてなかった。彼女のむかついて震える姿を見て、奏は却って落ち着いてきた。「どうして僕がカメラをつけたと思うの?」彼だって、病気の間に部屋にカメラを付けられたことを今日初めて知ったのだ。つけたのは大奥様だった。看護師の虐待を防ぐためだと言われた。以前いくらすごかった人でも、植物人間になったら、恐れる人はいないのだ。お母さんの好意に腹を立てることはできなかった。お母さんからすべてのデータをもらってきた。一通りざっと見たのだ。見終わって、血圧も上がった。とわこがこんな女だとは予想外だった。「それを…大奥様がつけたのか?」とわこは不安そうに聞き出した。「大奥様がどうしてこんな事をしたの?少なくとも教えてくるべきよ!私…私…」胸の中に火が燃え続いた。「とわこ、目覚めるのを思わなかっただろう?病気中、僕の体を滅茶苦茶に弄んで、楽しんだかい?」奏は鋭く睨みながら、力込めて怒鳴り出した。とわこの顔が熱くなり、ソファに倒れた。「いいえ、それは遊ぶじゃない。マサージだった。筋肉萎縮症を予防するためだ」常盤家に嫁いでから、看護師が奏にマサージするのを何回か見て、彼女は看護師の仕事を引き継いだ。毎晩、看護師が奏にマサージをしていたとき、彼女は部屋にいるのは気まずいと思ったのだ。理屈をもって
翌日、日曜日、10時半に起きた。これは常盤家での初めての朝寝坊だった。部屋から出たとき、客間に男たちがいた。みんなこっちを振り向いてきた。大き目のナイトドレス、肩に垂れているみだれ髪、白くてきれい顔。お客さんが来るとは思わなかった。彼も、お客さんも、彼女を真剣に見つめた。おそらく彼女の出現を予想できなかった。とわこはドキッとした。気まずい立場にいると気づいて、体の向きを変え、部屋へ戻ろうとした。そんな時、三浦婆やがやってきて、彼女の手を取ってダイニングに向かった。「若奥様、お早うございます。お腹すいたでしょう?部屋に伺いましたよ。ぐっすり寝ていたので、起こしませんでした」「お早う。あの人達…誰?」どもりどもりと三浦婆やに聞き出した。「若旦那様の友達です。見舞に来ました。怖かったら、挨拶しなくてもいいですよ」「わかった」奏に挨拶してないのに、彼の友達へはなおさらだ。もし、事前にお客さんが来ると分ったら、とっくに起きて、一日中外で遊びに行くわ。客間に。奏の友達は皆とわこのことに大きく興味を持っていたようだ。「奏、さきの若い女の子、どうしてお宅に泊まったの?お手伝いさんか?それとも…」「みんな大人だし、奏も男だ。家に若い女がいるのは当たり前のことじゃないか。あははは」奏から返事なかったので、みんなが状況をわきまえ、その話を続けなかった。「みんな、三千院グループのお嬢さん、三千院とわこご存じか?あの三千院太郎の娘…」「知ってるよ。金曜日の夜に電話をもらったの。融資を頼まれた。話を聞くもんか?とっとと電話を切ったの」「このとわこはなかなか面白いやつだ。お父さんの借金に関係ないだろう。しかし、これを分かったのに、自分で返済しようと動き出すのは、頭が壊れたのかも?」「今の若者は考えが甘すぎる。あの会社の新製品、私はとっくに調べた。絶対無理だ。無人運転システム、すごそうに聞こえるが、しかし、道路の状況は複雑で把握しがたいのだ。こんなプロジェクトに投資するなんて、馬鹿に違いない!」……ダイニングで食事をしているとわこは、彼らの話を聞いて、万感こもごも至るほど、複雑な気持ちになった。食事を済まして、パソコンを持ち出し、近くにある喫茶店で卒論を書くことにした。今の彼女はあまり余裕がない
そう思うと、彼女は首を絞められるように苦しくなった。息が苦しくて呼吸すらできなくなった彼女は目がくらんで頭がふらふらした。奏がZって、ありえないだろう。Zから1億円をもらった。しかも三千院グループへ投資もするかも。奏はそう優しくしてくれるはずがない。もし、奏がZじゃなかったら、どうしてここにいるのか?でも、車椅子、紺色のシャツ、白い肌、全てが一つの真実に辿り着くのだ。それは目の前の人が奏だ。ほかの誰でもない。彼女はびっくりしてはっと息を飲んだ。何げなく後退りをした。しかし、ドアはいつの間にか閉められた。「挨拶もなく帰るのか?」慌てて逃げようとした彼女を見つめながら、奏は聞き出した。「こんなところに何をしに来たの?」耳元の髪を上へ引き上げて、落ち着こうとした。「私…クラスメートと約束して食事に来たの」「ここは飲み屋だ」「そうか…」とわこは部屋中をじろじろ見た。とても大きな個室で、内装も上品だった。しかし、彼女にとってここは地獄のようだ。一刻も早く出て行きたいのだ。「私…場所間違ったようだ。それじゃ、私は帰る」「とわこ、今朝僕の話を忘れたのか?」奏の怒鳴り声に寒気を感じた。「覚えているよ。でも、あなたの話を従うつもりはなかった」この前の件、今でも歴然と目に浮かんでいる。お酒の付合いしてないのに、おしゃれをして風俗嬢みたいにほかの男と遊んでいたと断言された。彼女の回答に困った奏が眉をひそめた。彼女がほかの女と違うのは分かっている。自分なりの考えがあり、権力にもおびえない。一番酷いのは、いくら忠告しても、まったく気にしないのだ。つまり彼のことを気にしていないのだ。ゴブレットを持ち上げて、奏はワインを一口飲んだ。深い息を吸ってから、とわこは試しに聞き出した。「奏、どうしてここに?家元で食事するのじゃないかしら?」元々聞きたいのは、ここはZが予約した部屋だ。どうしてあなたがここにいるのか?もしかして、奏、あなたがZなの?でも、そうは行かない。彼の回答に全く見当つかないのだ。もし彼がZだったら、これから仕事の話をどうやって進めていくの?Zじゃなかったら、今朝嘘ついたことをどうやって説明するの?「来い、お酒付き合え」彼女を睨みながら奏は命令した。とわこは眉をひそめた。
長くて苦しい一晩だった。全て終わった時、彼女は昏睡した。翌日。常盤グループ。奏はいつも通り、午前10時に会社到着した。オフィスに入って間もなく、武田がやってきた。「夕べ、尋ねに行ったが、会えなかった。とわこととっくに帰ったのか」奏が眉をひそめた。「この件で来たの?」苦笑しながら、武田は手にした書類を机に置いた。「これは三千院グループ過去数年の財務諸表だ。一通り調べたが、問題は結構大きかった。特に財務責任者、400億円をだまし取ったのだ。張本人は社長の奥さんの弟だった」奏は目をつぶって考えた。もし武田が言ったことが本当だったら、今度の破産は新製品開発と無関係のはずだ。「今度の件でわかった。奥さんを選ぶのはとても重要だ」武田が嘆いた。「太郎が当時すみれに浮気しなかったら、今の三千院グループはこんな羽目にならないだろう」「もう一つ分かったことがある。それは女が事業成功への足かせだ」奏は冷ややかな顔をしていた。「そうか…ところで、とわことの離婚はもう変わりはないね。いつ離婚届を出すの?独身に戻るため、パーティーでもして上げようか?」武田が機嫌よく言った「仕事ないのか?そんなに暇なの?」奏は眉を上げて口調が厳しくなった。武田は椅子から立ち上がり、軽く咳をした。「すぐ行く。一つアドバイスがあるが、首のひっかき傷に薬を塗った方がいいと思う。猫にでもやられたのかと思われるが、実は夕べお二人の戦いは凄かったね」喉仏の動きと同時に、「でていけ!」と怒鳴り声が響いてきた。武田はさっさと出て行った。しばらくして、直美がドアをノックして入った。「奏、忙しいの?ちょっと仕事以外のことについてお話ししたいの」ドアを閉めてから直美が言い出した。奏はメールボックスを眺めていた。「今忙しい。仕事以外のことなら、仕事終わってからにしよう」直美は一瞬躊躇したが、続けて話すことにした。「やはり今話す。この件は仕事よりも大事なの」彼女は手にした封筒を奏に渡した。「奏、開けてみて。びっくりするとおもう」椅子に座った直美の視線は、奏の首の傷と一直線だ。考えなくてもわかるものだ。焼きもちを焼いてどうしようもなくなった。「夕べとわことやったの?」直美は震えた声で叫び出した。「奏、とわこに本心を出してはいけな
怒った奏をみて直美は火に油を注いだ。「奏、とわこは嫁に来る前、弥と付き合ったの。これは何も言えない。誰にでも過去がある。でも、結婚してから弥と不倫するなんて、これは常盤家の恥だ。多分、奏が死ぬだろうと思って、無茶をしていたのだ」かっとなった奏はこぶしを握り締めた。怒りを抑えきれず、必死に母子手帳を睨んでいた。「多分、奏の資産目当てだ。当時、病院からのお知らせで、奏はもう長くないとみんながそう思ったのだ。そんな時、とわこが嫁いできた。しかも子供もできた。これから、奏の資産はすべてあの女の懐に入るわ。あの二人の計算は見事だ。あいにく、奏が生き返った。彼らの計画は水の泡になったのだ」「でていけ!」奏は怒鳴り出した。直美の話は本当かどう別に、悪事が暴れたので、奏は気が重くて我慢できなくなった。怒鳴られて悔しいが、奏の気持ちを十分理解していた。椅子から立ち上がり、慎重にドアを閉めて離れた。少し落ち着いてから、奏は襟を正して、もう一度母子手帳を手にして、さっさと一通り目を通した。最後、視線は常盤弥という文字の所に止まった。心の底から殺意が湧いてきた。兄貴が資産を狙っているのは奏は知っているが、まさか身近にいるとわこが彼らの駒だったとは知らなかった。この罠にはめられるところだった。夕べ、とわこと一晩過ごしたことを思うと、かんかんとなってどうしようもない。……常盤家。主寝室。とわこは大きなベッドで昏睡していた。ドアを力強く開けられ、大きな音がした。目覚めてない彼女は乱暴に引っ張られて起こされた。「とわこさん、失礼」用心棒は彼女をベッドから引き揚げて、肩で担いだ。「何してるの?どこへいくの?」彼女はびっくりして叫び出した。「病院。中絶」用心棒からの言葉は簡単だった。それを聞いてとわこは冷たい湖に沈むように落ち込んだ。奏に妊娠のことを知られたのか?どうしてわかったのか?誰に教わったの?「奏はどこだ?会わせてくれ!」怖くて泣きだしたとわこが叫び続けた。「子供をおろせない。絶対おろさない」用心棒から脱走しようと思ったが、夕べ、奏に力尽くされた。彼女が破棄物のように車の後部座席に落とされた。広い車内に奏は座っていた。冷え込んだ目で彼女を睨んだ。彼は一枚の紙を彼女の顔に投
奏は嫌そうな顔して彼女の手を振り払って、声が冷たくなった。「とわこ、生きてもらうだけ、君への最大の恩恵だ。これから口を閉じて、二度と俺を怒らせないでくれ」彼の情けない顔を見て、とわこはすべての苦痛を飲み込むことにした。今、何を言っても、何をしても、彼の意志を変えられないのだ。座席に縮みながら、とわこは悲しく車窓の外に目を向けた。病院。車が止まった。とわこは車から用心棒に無理やり引きずられて、産婦人科へ向いた。奏は車の中に座ったまま、タバコに火を点けた。連れ去られた時、とわこの彼を睨む目、そしてこぼれた涙、何げなく、奏の頭の中に浮かんでいた。彼女を心配することは絶対ない。彼を裏切ったものは、今まで一人も許されていなかった。とわこは手術室へ運べられた。ドアがゆっくりと閉まった。30分後、手術室のドアが開いた。お医者さんが出てきて、用心棒に話を告げた。「手術終わったが、妊婦は手術室に1時間留置観察する必要がある」手術は終わった。用心棒の役目も完成。用心棒は大股で出て行った。お医者さんは手術室へ戻った。電話で聞いて、井上はすぐ病院にやってきた。とわこはベンチに座り、二つの目が真っ赤だった。「お母さん、悲ししいよ…」井上は彼女の背中を撫でながら言い聞かせた。「とわこ、もう泣かないで。帰ろう。彼に本当のことを知らせたら、きっと後悔するわ」「しない。お母さん、あの人は絶対後悔しない」とわこは手を引き上げて目じりの涙を拭いた。「あの人の心は石よりも硬いのだ」とわこを支えて、井上はとわこと二人で病院から出た。道端でタクシーを拾った。彼女たちを見送ってから、奏は病院から離れた。常盤邸にて。弥は邸にやって来た。奏から用があり、面談に来いと言われた。常盤邸に着いたが、奏を見かけなかった。「おじさんに何の御用かな?屋敷に来いと言われたのだが」お茶を飲みながら、三浦婆やに聞いてみた。三浦婆やは恐ろし気に頭を横に振った。「私は知りません。聞かないでください」とわこが連れ去られた時、三浦婆やはコーナでずっと見ていた。何も言えず、何もできずにいた。とわこが妊娠したって信じられなかった。それに奏に無理強いされて妊娠中絶するなんて、三浦婆やはなおさら理解できなかった。夕べ、二人は一緒に寝た