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第81話

まず従五位下の将軍に任じ、さらに従四位上の武官を約束するとは、清和天皇がさくらにいかに大きな期待を寄せているかを物語っていた。

宰相はこれに何の異議も唱えなかった。この破格の昇進は、上原さくらにその実力があればこそだった。

穂村宰相が言った。「ただ、援軍のことですが、未だ到着しておりません。琴音将軍が約束した期限はすでに過ぎております」

清和天皇は少々不機嫌になったが、言い繕った。「雪中の行軍は確かに困難だろうな」

清家本宗が進言した。「陛下、上原さくらを五位下武徳将軍に昇進させますと、北條将軍と葉月将軍は現在従五位上武略将軍ですから、上原将軍より一階級下になってしまいます」

本来なら、北條守と葉月琴音が大功を立て、平安京との和約を締結し、戦争を止めて国境線を定めたという功績は、上原さくらが北冥親王の伊力城攻略を助けた功績よりも大きいはずだ。

そのため、本宗はこのように進言したのだった。

天皇は言った。「何か問題があるのか?彼ら二人の戦功は、朕に賜婚を求めるのに使われたのではなかったか?」

清家本宗は額を叩いた。すっかりそのことを忘れていた。

当初、北條守が戦功を以て求婚した時、彼はこの男があまり使い物にならないと感じていた。しかし、陛下が若い武将を押し立てることに固執したため、何も言えなかった。

確かに現在、武将の新旧交代がうまくいっていない。陛下がこのような思いを抱くのも無理はない。

しかし、誰が想像できただろうか。突如として、一人の凄まじい女武将が現れるとは。上原家には、本当に一人として無能な者はいないのだ。

清和天皇にはまだ調査が済んでいない事柄があったため、琴音に対してはまだ態度を保留していた。皇弟からの密書に関ヶ原での大勝利について触れられており、平安京の前後で異なる態度を考え合わせると、関ヶ原の戦いには何か問題があると感じていた。

すでに密かに調査を命じていたが、まだ結果は出ていなかった。

今は邪馬台の戦況が最重要だ。

「前線ではまだ激しい戦いが待っている。日向城攻略については朝議で議論してもよいが、上原さくらの功績については今は触れないでおこう。大勝利の後、都に戻って功績を論じ褒賞を与える際に、朕は彼女を粗末には扱わない」

「御意!」穂村宰相と清家大臣は応えた。

確かに、早すぎる祝賀も、上原さくらの戦功を早々に口にす
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